葬儀のときにも「お色直し」があった!? お色直しの意味/毎日雑学
公開日:2025/3/31

●「お色直し」ってどういう意味?
「お色直し」とは、披露宴の途中で新郎新婦が服装を着替える時のことと思っている方が大半だと思いますが、実は昔は披露宴以外の時にも行われていました。
かつての日本人は“日常”と“非日常”を分け、それらの節目を大切にする暮らしをしていました。非日常は神道の神様の世界で、清浄を表す「白」が基本です。和装の結婚式で「白無垢」という衣裳がありますが、まさにそれは花嫁が“清い状態”であることを示す象徴。そして、「色直し」をして白の着物から色の付いた着物に着替えることで、婚家に染まって日々の生活を営むことを表しました。
一方、葬儀の時にも「色直し」がありました。実は明治以前の日本の葬儀は、故人だけでなく遺族の喪服も「白装束」で、喪の期間を経て日常に戻る時に「色直し」をしたようです。
「色直し」は、外見だけでなく心の在り方にもスイッチを入れる意味があったのではないでしょうか。そんなメリハリのある生活が、「潔い」ように感じるのは私だけでしょうか。
文=明石伸子
明石伸子(あかしのぶこ)
NPO法人日本マナー・プロトコール協会 理事長
青山学院大学卒業後、日本航空室乗務員、会社役員秘書などを経て独立。2003年NPO法人日本マナー・プロトコール協会を設立し、文部科学省後援「マナー・プロトコール検定」や「コミュニケーションマナー検定」の開発、運営を実施。講演や研修などを通じて、それらの啓発・普及に力を注いでいる。
その他の役職:NHK経営委員、一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会理事。学習院女子大学非常勤講師など(2025年1月現在)。
主な著書、監修:「間違いやすい順 社会人のマナー大全」(宝島社)、「この1冊でOK!一生使えるマナーと作法」(ナツメ社)、その他、連載多数。
■日本マナー・プロトコール協会
https://www.e-manner.info
■コミュニケーションマナー検定
https://e-manner.net/
■マナー・プロトコール検定
https://mp-kentei.info/
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