お葬式の「焼香」の回数は決まっているの?/毎日雑学

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公開日:2025/4/14

●焼香の回数は決まっているの?


 一般に仏式の葬儀では、通夜の翌日に葬儀・告別式が営まれます。これらに参列すると、僧侶の読経、喪主や遺族による焼香、会葬者による焼香と続きます。

 焼香は、煙とともに立ち込める香気によって、霊やその場を“清める”という意味もあります。さらに遺体の保存環境が充分でなかった昔は、死臭を防ぐ効果もあったのでしょう。

 焼香は、和室であれば座ったまま行う「座礼焼香(回し焼香)」が、椅子席の会場であれば立って行う「立礼焼香」が一般的です。また香の種類も、火をつけて香炉に立てる「線香」や、きざんだ状態の「抹香」があります。

 抹香をつまむ回数は宗派や会場の参列者の数などによって様々です。会場の司会者から焼香の回数を指定された場合はそれに従います。特に指定がなければ、個人的には、会葬者が少ない場合は、故人を偲び心を込めてゆっくりと3回行い、会葬者が多い場合は後の人のことを考えて丁寧に1回行うのが良いと思っています。また、焼香の時には数珠を忘れず持参しましょう。

文=明石伸子

明石伸子(あかしのぶこ)
NPO法人日本マナー・プロトコール協会 理事長

青山学院大学卒業後、日本航空室乗務員、会社役員秘書などを経て独立。2003年NPO法人日本マナー・プロトコール協会を設立し、文部科学省後援「マナー・プロトコール検定」や「コミュニケーションマナー検定」の開発、運営を実施。講演や研修などを通じて、それらの啓発・普及に力を注いでいる。
その他の役職:NHK経営委員、一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会理事。学習院女子大学非常勤講師など(2025年1月現在)。
主な著書、監修:「間違いやすい順 社会人のマナー大全」(宝島社)、「この1冊でOK!一生使えるマナーと作法」(ナツメ社)、その他、連載多数。

■日本マナー・プロトコール協会
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■コミュニケーションマナー検定
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■マナー・プロトコール検定
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<第273回に続く>

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