極度の緊張を克服したあがり症のプロカウンセラーである、佐藤健陽さん、加藤隆行さんによる『緊張やわらぎメソッド「失敗したらどうしよう…」が「まぁなんとかなる！」に変わる80の方法』（小学館クリエイティブ）が、2025年1月28日に発売された。自己紹介やプレゼン、オフィスでの電話など、緊張がともなうさまざまなシーンに対して、その緊張をやわらげるための考え方と解決法（メソッド）を教えてくれる。

・緊張しなければ、うまく人と話せるのに
・顔がすぐ火照ってしまうのをどうにかしたい
・もっとできたはずなのに…あの時手が震えなければ…
・あの人は誰とでも話せるのに、自分はいつも緊張しているな
・こんなに緊張してしまう自分は異常なのでは？

　こんな悩みを抱えながら「緊張しないようになりたい」と考えている人は、一度その思考を手放してみては？

　本書では、シーンに合わせた80個の“緊張やわらぎメソッド”を紹介。

プレゼンで話していたら、喉が詰まって声が出なくなった

喉の詰まりの改善に取り組むのではなく、求められている自分の役割や目的に集中しましょう。プレゼンで伝えるべきこと、話の展開の仕方などに集中。意識のベクトルを、自分の状態ではなく、この先の状況に向けると緊張は自然とゆるんでいきます。（P.34より）

【やわらぎメソッド】会話のスローダウンを意識する
(1)「ゆっくり話す」と何度か唱え、自分に浸透させてから話す
(2)いつも思い出せるよう「ゆっくり話す」とパソコンなどにメモを貼る
(3)緊張で話が止まったら「待たせてもいい」と考える

自己紹介の番になったとき、ホラー映画のようなショックが迫ってくる気がする

必要なのは安全の確保とエネルギー消費。本来、交感神経が活性化されると、危険時に対応するためのエネルギーは骨格筋に供給されます。だからジタバタさせた方がラクになります。表情から手足まで緊張させることでエネルギー消費を促しましょう。緊張は止めると苦しくなり、発散すると解放されるのです。（P.24より）

【やわらぎメソッド】全身拡散法
（1）心臓やみぞおち、お腹など、緊張を強く感じる体の部位を特定する
（2）その部位の緊張を意識して、全身へと広げていくイメージを作る
（3）同時にゆっくり呼吸をしながら、その感覚を呼吸へ溶かしていく

静かなオフィスで電話を取るとき、自分の声を周りに聞かれたくない

「シャドーロール」という競走馬につける装具があります。これは馬の視界を制限して前方に意識を集中させるものです。その視界の制御として、メガホンの逆の形が視界を覆うイメージをして、目先に集中し、相手の話に耳を傾けましょう。他者の目を想像で遮断するのです。（P.92より）

【やわらぎメソッド】グラウンディング
（1）お尻が椅子の座面についている感覚をじっくり感じる
（2）足の裏が床についた感覚に意識を向けて、大地とのつながりを感じる
（3）足の裏から大地へエネルギーを送り、大地からエネルギーを受け取るイメージを持つ

　このほかにも、「オンラインの打ち合わせで自分が話す時、みんなに見られると緊張する」「いきなり自分に会話のバトンが渡されると、頭が真っ白になる」「成果報告の原稿を一言一句暗記したのに、結局声が震えて失敗した」「上司に“ちょっと話がある”と言われてから、会議室に入るまでが怖い」「人と話すのを避けていたのに、昇進して部下と話さざるを得なくなった」などさまざまな緊張シーンとメソッドを紹介。

緊張克服のための3タイプ

　各メソッドは、緊張克服に大切な「心」「体」「社」という3つのタイプで分けられている。症状だけに囚われるのではなく、多角的な視点から自分に合う方法を探せるよう工夫が施されている。自分に当てはまるシーンからメソッドを探すだけでなく、冒頭にある3タイプのチェックリストを使って、チェックの多いメソッドを重点的に取り入れていくという使い方もおすすめ。

　さらに、コラムページでは本編を裏付ける緊張に関する解説を掲載。緊張しいの人は必読の「緊張克服への第一歩」が綴られた、お守りのような一冊となっている。

　今回の書籍について担当者に話を聞いてみた。

ーー今回の書籍の狙いは？
　本書はあがり症とまではいかないまでも、主にビジネスシーンで、緊張による妨げを感じる人が、「あ～こう思えばいいのか」「こういうことをするとラクになるのか」と思えるきっかけにしていただくことを目的としています。

　主なターゲット層は、ビジネスシーンで少しずつ責任感が伴う仕事や役割が増えてきた方、プレゼンなどの人前での仕事をすることが多い方、ビジネス以外のシーンで人と関わらざるを得ない瞬間で緊張が高まってしまう方（美容院やレジなど）です。

ーー今回の企画のイチオシは？
全般を通して本書で伝えたいことは「緊張してもいい」ということ。80個ある緊張シーンは、すべてこの「緊張してもいい」という考え方を養うものです。この緊張を受け入れる考え方は、自律神経の緩和にも繋がってくるお話でして、これはコラムページの「緊張と自律神経の関係性の話」というところで紹介しています。

ーー読者(ユーザー)へのメッセージは？
「緊張を治したい！」と思ってる方へ。緊張はしてもいいんです！少しでも緊張に悩んだことのある人にぜひ読んでいただきたい書籍です。

【著者情報】

佐藤健陽（さとう・たけはる）

1972年秋田県生まれ。福島大学経済学部卒業。佐藤たけはるカウンセリングオフィス代表。

高校生の頃にあがり症を発症し、大学卒業後は就職をせずに引きこもりに。小遣い稼ぎでパチプロになるもうまくいかず、最終的に社会から逃げるようにブラック麻雀店で13年間勤務。「こんな人生でいいのか…」と悩み、一念発起して福祉の専門学校へ入学しあがり症を克服。

主な資格等：公認心理師、シニア・アドラーカウンセラー、社会福祉士、精神保健福祉士、産業カウンセラー北関東支部講師、東京都社会福祉士会高齢者夜間安心電話相談員、自殺予防ソーシャルワーク委員

加藤隆行（かとう・たかゆき）

1971年愛知県生まれ。ココロと友達オフィス代表。心理カウンセラー。

幼少より病弱だったこともあり、劣等感が強くコミュニケーションの苦手な子に育つ。SEとして通信系IT企業に入社。数百名規模の成果発表会で、マイクの前で頭が真っ白になってから、緊張症が対人恐怖症まで悪化。3度の休職と入退院を繰り返し、次第に自身の心と向き合うようになる。

主な資格等：日本プロセラピスト養成協会 認定セラピスト、日本アドラー心理学会 正会員

【書籍概要】
■署名：緊張やわらぎメソッド「失敗したらどうしよう…」が「まぁなんとかなる!」に変わる80の方法
■著者：佐藤健陽、加藤隆行
■定価：1694円（税込）
■発行：小学館クリエイティブ
■発売日：2025年1月28日

■小学館クリエイティブ
公式サイト：https://www.shogakukan-cr.co.jp/
書籍ページ：https://www.shogakukan-cr.co.jp/book/b10105713.html