人間の少年と恋に落ちたカッパの少年。種族を超えた恋の行方は…? 妖怪たちの恋愛奇譚『カッパ少年紅介 昭和妖怪恋物語』にトキメキが止まらない【書評】

マンガ

公開日:2025/2/26

 ひと味変わった恋愛漫画が読みたい人やレトロな世界観が好きな人に、妖怪たちの恋物語をオススメしたい。『カッパ少年紅介 昭和妖怪恋物語』(Ikeda Akuri/KADOKAWA)は、カッパの少年を中心に巻き起こる妖怪たちや人間とのラブストーリーだ。ボーイズラブを中心に女性同士や男女の恋愛も描いており、SNSで大きな注目を集めている。新鮮な設定や展開は、あなたに新たな感情やトキメキをくれるかもしれない。

 
 主人公は田舎にあるカッパの町で暮らす、お人好しなカッパの少年・紅介。人間の服や音楽が大好き、恋愛に興味津々な思春期真っ只中の16歳だ。モテモテな姉のファンの相談に乗ったり、困っている妖怪を助けたり、白蛇に惚れられたり…。多種多様な妖怪と関わりながら、紅介自身も色恋沙汰に巻き込まれていく。筆者のお気に入りは幼馴染のカッパ・羅門さんの恋のキューピッドをする話だ。奥手すぎるがゆえ失恋ばかりの羅門が今回恋したのは配達員のたぬき・児玉。実は児玉も羅門に恋しており、ふたりは両思いなのだ。じれったい距離感にキュンとしつつ、紅介の絶妙な助太刀には拍手を送りたくなってしまう。

advertisement

 さまざまな人(妖怪)助けを繰り返す紅介は、2巻で川に流され記憶喪失となった人間の少年・郷と出会う。カッパは昔から人間を忌み嫌っており仲間に見つかれば殺されかねないため、紅介は郷を助け洞窟で匿うことにする。ふたりはお互いの違いを徐々に受け入れながら、恋に落ちていく。だが異種であるからこそ、過去や環境やいるべき場所全てが異なるふたり。さらに郷の記憶が戻ると、哀しい事実が判明してしまう。思い合うふたりの切なく真っ直ぐな恋心の結末を、ぜひ見届けてほしい。

 淡くパステルなフルカラーで描かれる可愛らしい絵柄やキャラクターも、本作の大きな魅力だ。昭和のレトロテイストな街並みや、紅介のおしゃれなファッションや髪型はページをめくるだけでワクワクする。個性豊かな妖怪たちもみんな可愛らしいので、ぜひお気に入りのキャラクターを見つけてみてはいかがだろうか。

文=ネゴト / fumi

あわせて読みたい