アレン様「人生の壁にぶつかったら読み返してほしい」 “怒り”がテーマのエッセイに込めた想いとこだわり【インタビュー】

生き方

公開日:2025/2/18

アレン様は大変!!ぉ怒りになられてます。アレン/KADOKAWA

 タレントのアレン様が、自身初のエッセイ本『アレン様は大変!!ぉ怒りになられてます。』(KADOKAWA)を上梓した。

 ダ・ヴィンチWebでの連載を書籍化した本書は、「怒り」をテーマにしながらも、「家族」「仕事」「恋愛」といった普遍的なことについて、独自の視点で切り込み、示唆に富んだ1冊となっている。

「人生の壁にぶつかったら読み返してほしい」と語る、本書への思いを聞いた。

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「怒りを溜め込まない」ことが大切

――まずお聞きしたいのですが、エッセイのテーマが「怒り」になったのはどういう経緯だったのでしょうか。

アレン様:これはもう正直に言うと、KADOKAWAさんの提案。「アレン様は感情に素直だから、“怒り”をテーマにしたら面白いんじゃないか」って。で、私も即決。私っていつも怒ってるし(笑)。

 でも、ただ怒ってるんじゃなくて、嫌なものは嫌って言ってるだけなのよね。世の中には「本当は嫌なのに言えない」って人が多すぎる。その言えない怒りを私が代わりに“お焚き上げ”する本だから。読んでスッキリしてもらえる内容になってると思います。

――全編を通じて「怒りを溜め込まないこと」の大切さが書かれているように感じました。そう考えるようになったきっかけはあったのでしょうか。

アレン様:別にきっかけとかはなくて、単純に我慢できない性格なの。我慢しようと考えたこともないし。ただ、一方的に怒るんじゃなくて、例えば、友達とケンカするときも「私にも言いたいことあるなら言って」って相手にも促すんですよ。こっちだけスッキリして終わりじゃなくて、相手にもちゃんと発散させるんです。

――お互い伝え合うことで、ギスギスすることはないですか。

アレン様:ありません。言ったほうが関係はよくなりますね。この間も友達とケンカしたんだけど、「私はこう思ってる、ここが嫌だった」って言ったの。で、「私にも嫌なところがあったら言って」と伝えたら、相手も正直な気持ちを話してくれて。お互いスッキリしたし、前より仲良くなりましたね。逆に、言わずに溜め込むほうが関係は悪くなります。ちゃんと怒って、ちゃんと伝えるのが大事なんです。

自分の価値は自分で守らないといけない

――エッセイの中では「家族との距離感」について書かれていました。家族は距離が近いぶん、ケンカになったり、怒りを覚えたりする人も多いと思いますが、家族との付き合い方で心がけていることはありますか。

アレン様:私は帰省しても家族と寝泊まりしないで、ホテルに泊まるんです。近くにいすぎるとイライラするから。家族って、遠慮なしに言いたいこと言ってくるでしょう? 「なんでそんなこと言うの?」みたいなことも普通に言うし。あれって、近くにいすぎるからなの。だから私は、家族と会うのは外でご飯を食べるときだけ。それ以外では一緒に過ごさないんです。

 そうすると、ありがたみが出てくるんですよ。親だってずっと一緒にいられるわけじゃないし、「こうやって会える時間って限られてるな」って思える。でも、毎日一緒にいたらそんなこと考えないで、むしろ「うざい」とか「早く一人になりたい」とか思うようになる。だから、適度な距離感を保つのが大切だと思うんです。

 きょうだいとかもそう。たまに会って「最近どう?」って話すくらいがちょうどいい。毎日顔を合わせてたら、ケンカにもなるし。人との距離感って大事なんですよね。

――仕事に関しても書かれていて、こちらも人間関係で悩みや怒りを感じる人は多いと思います。仕事相手とのコミュニケーションにおいて大切にしていることはありますか。

アレン様:私は「へりくだらない」ことをモットーにしてます。芸能人ってよく「テレビに出していただいてありがとうございます!」とか言うじゃないですか。私、あれ無理なんですよ。「なんでそんなに下手に出るの?」って思っちゃう。私は「出てあげてる」って考えなんです。だって、テレビの仕事がなくても全然やっていけるし、全然稼いでるから。

 実際このスタンスでやってたら、どんどん自分にとっていい環境をつくることができました。例えばパチンコの営業のギャラとかも、他のタレントよりずっと高いし。代理店の人にも「アレン様が一番高かったです。でも、それでもお願いしたい」って言われます。自分を安売りしなければ、周りもそれを認めるのよね。

 これは会社員でも一緒。「上司に怒られるから」ってへりくだってると、ただの言いやすい人になっちゃう。でも、そこで「私にばかりお願いしないで、他の人にも仕事を振ってください」って強気で言うと、上司もびっくりして「この人には適当に頼めないな」ってなる。そうやって、自分の価値は自分で守らないといけないのよね。

一切の妥協なし。こだわりが詰まった「人生のバイブル」のような1冊

――エッセイをすべて書き終えたときの心境としてはいかがでしたか。

アレン様:すごく大変だったなというのが正直なところ。これを書いている頃って、カレンダー(ALLEN 2025 CALENDAR)と『全てアレン様が正しいでございます』のイベントや取材が重なって、かなり忙しい時期だったんです。でも絶対に手を抜きたくないから、記事の公開をずらしていただいたりもして。語尾の一つひとつまで、一切妥協せずに完成させました。

――今回の書籍化では、オール撮り下ろしのグラビアも収録されていて、充実の内容になっています。16時間以上かけてロケを敢行されたとか。

アレン様:本当に大変だったの! 夜中の12時に集合して、その日の夕方まで延々と撮り続けるっていう。朝焼けをバックにした写真を収めたくて、日が昇る前にロケバスで千葉の九十九里浜まで移動して、朝日を撮りに行きました。それが終わったら、東京に戻ってきて、スタジオ撮影。合計16時間以上の撮影でスタッフもみんなぐったり。そんな思い出もあるので、グラビアもぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。

――グラビアだけではなく、全体を通して、視覚的にも面白い本に仕上がっていますね。

アレン様:読者が飽きずに楽しめるような工夫をたくさん入れてるんです。面白い写真を入れたり、ページごとに雰囲気を変えたり。

 今の若い人たちはあまり本を手に取らなくなってるじゃないですか。だから、どのページを開いても飽きないよう、視覚的にも工夫してるんです。単なる文字の羅列じゃなくて、パッと見て楽しい、絵本みたいな感覚も取り入れてます。どこにでもあるような本だと面白くないから、ページごとのデザインにもすごくこだわりました。

――「怒り」をテーマにしながらも、さまざまな気づきを与えてくれる本だと感じました。改めて読者に伝えたいことはありますか。

アレン様:できあがった本を読んで、自分で感動しました。なんか、自分じゃない人が書いたような新鮮さがあって。日常生活で忙しくしてると忘れがちなことを、過去の自分が気づかせてくれたんですよね。同じように、これを読んだ人が、人生の中で悩んだり壁にぶつかったりしたときに「アレン様、なんでブチギレてたっけ?」って思い出して読み返してほしいんです。

 本って1回読んだら終わりじゃないですか。でも、この本は何度でも読める。読むたびに大切なことを思い出せるような1冊になっていると思います。

取材・文=堀タツヤ、撮影=島本絵梨佳

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