推しのグッズを買わずにはいられない理由。グッズにあって、集客に苦戦する町のお店にはない「価値」とは
公開日:2025/3/17
答え
長年のやり方を変えず、ただ肉を売っているだけだったから。
この町は高齢化が進んでいました。以前はそのこだわりのおいしいお肉を求めて、地元客がちょくちょく訪れていたのですが、今ではすぐ近くのスーパーでもこだわりのおいしいお肉が販売されています。わざわざ肉だけをお肉屋さんで買うのが面倒という人が多くなったようでした。
スーパーであれば配達もしてくれます。
おいしいだけでなく便利なスーパーを利用する人が増えた結果、お肉屋さんからは客足が遠ざかってしまったのです。
おいしい肉という価値は変わらず提供していたのですが、お客さんのニーズに合う価値を提供できていなかった。
つまりお客さんに「付加価値」を提供できていなかったのです。
推しのグッズやブランド品を買わずにはいられない理由
一方で、長年人気を保っているお肉屋さんもあります。
そういうお店は、お客さんのニーズに合わせて変化をしています。
高齢化が進んでいる地域であれば、料理をするのが面倒になってきた人のためにお惣菜を増やすとか、さらには油っぽいものが苦手な人でも食べやすいお惣菜の品数も増やし、スタンプカードを配ってわざわざ足を運びたくなる理由を作るなど、付加価値を提供しています。
付加価値があるものは人気になり、付加価値がないものは人気がなくなる。
そうなんです。人は実は商品やサービスを「付加価値」でも選んでいるのです。
付加価値を買っていると言ってもいいくらいです。
「いやいや、自分はただその商品が欲しいから買っているだけで、付加価値があるかどうかなんて考えてないけど?」
そんな声も聞こえてくるかもしれません。
本当にそうでしょうか?
大好きな推しのミュージシャンのライブに行ったら、グッズを購入したくなりませんか? 推しの名前が入ったタオルに、ライブTシャツに、アクリルスタンド……、欲しいものだらけで、あれもこれも購入。
このグッズは「付加価値の塊」です。

たとえば、タオル。もしそのタオルに推しの名前が入っていなかったとしたら……。
もともとのタオルの値段は、500円くらいかもしれません。でも、推しの名前が入ったデザインになるだけで、2800円でも買いたい! となるのです。
タオルそのものの価値は500円。
推しの名前が入ったタオルの価値は2800円。
この2300円分は「付加価値」です。
「ブランド」も付加価値のひとつです。
ブランドのロゴが入るか入らないかで、同じものでも値段が変わってきます。