天羽希純のエッセイ連載「アイドル界のモンスター」/第3回「指定難病のアイドル」

小説・エッセイ

公開日:2025/2/21

今回は私の持病について話していきたいと思います。詳しくお話したことがないので、この場をお借りしてお話させていただきます。

私は潰瘍性大腸炎という指定難病の病を患っています。

大腸の粘膜に炎症がおきて、腹痛や血便などの症状がでるものです。

日本人口10万人あたり100人程度の患者数で、発症の原因は不明となっていて、長期間の治療が必要となる慢性の病気です。

昔からお腹を下すことが多かったのですが当時の私はお腹が弱いだけだと思っていました。

しかし20代前半で急激に症状が悪化し、検査した結果潰瘍性大腸炎と知らされました。

結果を知らされたときは怖くて一生懸命病気について調べました。先生からはずっと薬を飲まなければいけない生活になること、食事の制限などを教わり、一体自分の人生がどうなっていってしまうのだろうと絶望感でいっぱいになりました。

けれど大好きなアイドルは辞めたくない、夢を追い続けたいと、生活を変えることはしませんでした。公表についても、応援してくれているみなさんに心配をかけたくないという理由で今はしないでおこうと思っていました。

そんなある時、今の所属アイドルグループである#2i2 に加入することになります。
デビューまでほぼ毎日レッスンで、私は病気のことなんて忘れるくらい打ち込みました。
新しいグループでのデビュー。キラキラした未来しか見えず、希望に満ち溢れていました。

また、個人でも憧れの漫画誌さんでのグラビアロケも決まり、こんなに幸せでいいのかとワクワクしていました。

そして長い準備期間を経て迎えたデビュー日。
ここからだという時に症状が悪化してしまいました。止まらない熱、強い腹痛。
しかし待ちに待ったデビュー。ここで止まるわけにはいかないと全力で挑みました。

デビューライブは無事成功しましたが、それからも症状の悪化は止まらず、デビューライブ後すぐに入院することとなってしまいました。

こんなタイミングで症状が悪化するなんて、私は何かしたかと神様に問いかけたし、消えたくもなりました。

入院中も絶望感が物凄く、私がこんなことをしている間にもデビューしたばかりのグループはどんどん私がいないのが当たり前のグループとして広まっていくし認知される。
決まっていたグラビアロケも中止になり、チャンスもなくなる。
自分の存在理由を失っていく感覚でした。

何もかも、もういらないと思いました。

グループの情報をいれるのが嫌になってしまいました。

復帰できるかも分からない中、何のために生きているか分からない。

そんな生活が続いていました。

体調は次第によくなっていき、退院の目処もたってきました。長い入院生活にゴールがみえて気持ちも明るくなってきたのもあり、SNSを久しぶりに見ました。

そこで私が見たのは、私がいないステージでもメンバーが自己紹介の時に必ず私の名前を言ってくれているということ、そしてその時見てくれている人が私のメンバーカラーのサイリウムを灯してくれているという情報でした。

グループの情報をいれたくないと思っていた私が馬鹿に思えてきて、私の存在は無くなっていなかったとすごく泣きました。

今でも私の居場所を守り続けてくれたことを忘れたことはないし、#2i2 が大切です。

休養から3カ月後、復帰して今の私がいます。

これからも自分の体調と相談しつつ、夢を叶えるため、そしてなにより #2i2 がより愛されるグループになるように頑張っていきたいです。

そして最後に。

この病気はまだまだ認知度が低く、私にも定期的に「ポンポン痛いだけで過剰に騒ぐな」などの悲しいメッセージが来ます。

こうして私が発信することでこの病気への理解が広がって悲しい思いをする人が減ったら嬉しいなと思います。

そして、同じ病気に悩んでいる方や何か他の病気に悩んでいる方にとって、少しでも希望になれればと思います。

私はこれからもこの病気とともに夢を追いかけたいです。

<第4回に続く>

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天羽希純(あまうきすみ)
8月12日生まれ。東京都出身。
アイドルグループ #2i2の紫担当。
特技はピアノ、トロンボーン、大きな拍手、くねくねボイス。