おいしく食べてエイジングケア! 「奇跡の58歳」君島十和子さんの「腸活レシピ」を作ってみた【書評】

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公開日:2025/3/12

君島十和子のおいしい美容「腸活レシピ」君島十和子:著、小林暁子:監修/主婦の友社

 卓越した美容知識でスキンケアブランド「FTC」のクリエイティブディレクターを務め、女優・モデルとして活躍した20代の頃と変わらぬ美しさで「奇跡の58歳」と注目を集める君島十和子さん。FTC公式インスタグラムの「腸活クッキングライブ」では、自身も実践する腸活レシピを提案。飾らない素顔と和やかなトークで、幅広い世代のファンから支持されています。

 今では体の内側から美しくなる美容ケアのひとつとして定番となった腸活ですが、十和子さんが腸活を始めたのは10年以上も前。人生いろいろあって自分は鋼のメンタルだと思ってきたけれど、年を重ねて「もうダメかも」と弱音を吐きたくなる時、最後の踏ん張りとして支えとなったのが腸活だそう。

 十和子さんいわく、腸内環境がととのうと自律神経もととのい、体や肌の調子だけではなくメンタルも安定するとか。そんな十和子さんのように年を重ねても美しい人をめざすべく、最新の著書『君島十和子のおいしい美容「腸活レシピ」』(君島十和子:著、小林暁子:監修/主婦の友社)から、腸活レシピを2品つくってみました。

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さっぱりピリ辛「腸活!? きのこの坦々風豆乳そうめん」

 クッキングライブの人気レシピからピックアップしたのは、そうめんをさっぱりとした豆乳スープでピリ辛に仕上げた「腸活!? きのこの坦々風豆乳そうめん」。材料に含まれる発酵食品のキムチや食物繊維が豊富なきのこ類は、君島家でもよく使われる腸活食材の定番だそう。

 ボウルの中にねり白ごまや豆乳を入れ、ダマにならないように混ぜたらあっという間にスープが完成。スープを加熱せずに調理できるので、忙しい時にもチャチャッと作れそう。

 麺の上にのせる肉みそは坦々麺に必須のアイテム。たっぷりのねぎやきのこ類をお肉に混ぜ込むことで、いつもとは違った食感に。豆板醤を少々加え、ちょっぴりピリ辛に仕上げます。

 そうめんを茹でるのは、スープと肉みそを仕上げてから。茹であがったらよく水きりをすることで、スープの味が薄まらず、麺によくなじむのだそう。器に盛ってスープを注いだら、肉みそ、キムチ、細ねぎをのせ、好みでラー油をかけたらできあがり。

 豆乳スープとそうめんの組み合わせでさっぱりしつつも、濃厚で歯ごたえのある肉みそがアクセントとなって食べ応えもしっかり。キムチの酸味としょうがの辛みもちょうどよく、いろいろな味が混ざり合って味わい深い。ヘルシーなのに、満腹感もありました。エイジングケアを気にする年頃なら、むしろ本物の坦々麺よりこちらのほうがおすすめかも。スープは簡単に作れるので、肉みそを冷凍しておいて思い立った時にまた作ってみようと思っています。

「腸活石狩ごはん」はエイジングケアにも

 2品目の「腸活石狩ごはん」は、抗酸化力が高い鮭が使われ、エイジングケアにも期待できるというレシピ。ここでも定番のきのこが登場。春菊もやはり、食物繊維を豊富に含んだ、十和子さんおすすめの食材だそう。

 本の中では鉄鍋が使われていますが、炊飯器でも調理できるということで、本稿では試しに炊飯器を使いました。炊き込みごはんは味つけが難しいイメージを持つ人もいるようですが、このレシピで炊飯前に入れる調味料はみそとしょうがのみ。

 春菊といえば、鍋料理ではさっと湯に通すだけでしんなりとして食べ頃になるもの。このレシピでも、炊飯前に入れるのは刻んだ茎だけ。葉の部分はごはんが炊けた後に加えて蒸らすだけでOK。同じタイミングでバターを入れ、味の仕上げをするのがポイント。

 炊きあがりは、思わず「おいしそう!」と声が出てしまいました。鮭、春菊、まいたけの組み合わせは、色合いの良さもさることながら味のバランスが絶妙。それぞれ主張の強い素材の味がみその風味とバターのコクによって調和され、完成された味わいに。まいたけの食感や春菊の香りなど、五感でも楽しめる一品に仕上がりました。ちなみに、君島家で使われるみそは十和子さんのお手製だとか。

長年がんばっている自分に腸活ごはんのご褒美を

 本書には、上品で華やかな十和子さんの写真とともに、肌にコンプレックスを持っていた20代の頃のお話や、お子さんが大きくなってから夫婦だけで食事をする時のエピソードなども掲載されています。十和子さんの1週間の腸活ごはんや食べ方のコツも参考にしたいところ。

 素敵だと感じたのは、あとがきとともに掲載されたご夫婦の写真。十和子さんは夫の前でやわらかい笑顔を見せており、仕事と子育てを切り盛りしながら、「食」の面で家族を支えてきたという自信と家庭的な温かさがにじみ出るようでした。きっと60代や70代になっても今と変わらず、無理なく「食」と向き合い、外見だけではなく内面にも美しさを宿す人でいるのだろうと想像できます。

 人生100年時代、できるだけ長く健康で自分らしくいたいもの。この本に載っている「腸活レシピ」を作って食べることで、十和子さんのように「腸活しているから大丈夫!」と、毎日をポジティブに過ごせそうです。

調理・写真・文=吉田あき

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