自分らしく生きる女性に憧れる! 強く美しい“マダム”に学べ「こんな風に歳を重ねたい」と思える漫画【書評】
更新日:2025/3/29
人生100年時代といわれる現代において、60歳はまだまだ若い。しかし年齢を重ねることで増す深みや人生経験に裏打ちされた強さは、若者には出せない独特な魅力を醸し出す。そこで本稿では、そんなマダムが主役の漫画3作品をピックアップしてご紹介!
マダムが教えてくれたこと

『マダムが教えてくれたこと』(ユニカ/KADOKAWA)は、主人公の女子大生がアルバイト先で出会ったおしゃれなマダムと交流する中で、少しずつ変わっていく成長物語。ある日、主人公が勤める喫茶店に優雅なオーラをまとったマダムがやってくる。
個性的でこだわりが詰まった着こなしや、品格と余裕のある立ち居振る舞いのマダム。そんな姿に憧れを抱いた主人公は、マダムの何気ない言葉の数々から、見た目だけではない「本当のおしゃれのヒント」を得る。お金も時間もなく夢も中途半端な女子大生が、70歳のマダムとの出会いを通し、暮らしの中にささやかな喜びを見つけることや、丁寧に暮らすことを学んでいくのだ。
マダムへの憧れと同時に、ポジティブな主人公の姿にも不思議と心が躍るはず。同作を読んで、人生を豊かにするヒントを探してみてはいかがだろうか。
マダムたちのルームシェア

「こんな風に歳を重ねたい!」とSNSで話題を呼んだ『マダムたちのルームシェア』(seko koseko/KADOKAWA)。同作は日常を楽しむアイデアが詰まったマダムたちのルームシェアライフを描いていく。主人公は“マダム”の呼び名がしっくりくる3人の女性だ。
優しくおっとりした性格ながらアクティブな面も持つ晴子、季節感と食べることを大事にする栞、流行りに敏感で気遣い上手な沙苗。ルームシェアをしている3人は、趣味も気質も異なるものの、日常を楽しむ天才である。
パジャマパーティーに誕生日会、おうち喫茶店ごっこや夜更けの花札大会など毎日が楽しみに溢れており、読んでいると思わず「羨ましい!」と漏らしてしまうかも。心が荒んできた時、ぜひ手に取ってみてほしい。
マダム60 60代もいろいろある!

60代のリアルな日常を描く『マダム60 60代もいろいろある!』(青沼貴子/竹書房)。これから60歳を迎える人や今60代を過ごしている人に共感や笑い、そして新たな視点を与えてくれる1冊だ。
「60歳ってちょっとショック。でも39歳→40歳のときのショックに比べるとそうでもない」。そんな感じで60歳を迎えた青沼氏。同い歳の友達と還暦のお祝いに巣鴨に赤パンツを買いに行ったり、眠れなくなって自律神経を整えてみたり、80代で足腰が弱くなった母に杖をプレゼントしたり、30年住む家の大片づけに張り切ってみたり……。色々と忙しい60代の日常がコミカルに展開されていく。
物語は1話5ページ程度なので、気楽に読み進めていけるのが嬉しいポイント。楽しそうな彼女らの日常に触れ、将来の参考にしてみては?
自分らしく生きるマダムは強く美しい。人生の参考にする意味でもぜひページを開いてほしい。
文=ハララ書房