「宿屋で一泊したら全回復するだろ?」根性論で部下を振り回す勇者は、今まで出会った“嫌な人”の集合体【著者インタビュー】
公開日:2025/3/31
「ロケットニュース24」で2019年から連載されている『魔王軍はホワイト企業』。当初は他の4コマ漫画シリーズの1エピソードだったものが徐々に人気を博しシリーズ化。昨年末には単行本『魔王軍はホワイト企業』(スガラジカル/主婦の友社)が発売されるなど、人気が広がっている。
完全週休2日制・充実の福利厚生というさながらホワイト企業の魔王軍と残業も急な変更も当たり前、根性論ですべてを通そうとする勇者軍。お仕事×世界征服コメディの本作。ファンタジーなのに、「このキャラ職場の人とそっくり!」と思わせてくれるキャラクターと“あるある”な職場ネタ満載なのが魅力だ。そんな本作はどう生まれたのか? 著者のスガラジカルさんに話を聞いた。

――勇者は根性論で部下を振り回す少し厄介な存在ですが、このキャラクターはどうやって生まれたのでしょうか?
スガラジカルさん(以下、スガラジカル):電子版の特典でも少し描いたのですが、特定の誰かをモデルにしているわけではなくて。今まで出会った嫌な人の嫌な部分の集合体という感じです。やっぱり魔王がいい人すぎるので、対になるキャラクターを描くとなるとああなっちゃうよね、というか。ブラック企業で働いていた方の体験談を読んだりもしますが、体験したことの方がリアルに描けるなと思っています。
――勇者を描く上で難しいと思ったことはありますか?
スガラジカル:昔出会った嫌な人だったり、嫌な言葉だったりを思い出さないといけなくて気持ちが落ち込むことですかね(笑)。あとこれは僕の中で決めていることなんですが、さじ加減として嫌な奴だけど絶対的な悪人、犯罪者にはしていないんです。だから人を殺したりはしていないはずです。極悪人じゃないけど嫌な奴という塩梅が難しいです。
取材・文=原智香