物価高の今、節約しながら豪華な食卓に! コスパ最強の“ずるい”レシピが助けてくれる、家計と毎日のおかず作り

暮らし

公開日:2025/3/25

ずるいおかず 最強にラクなのにおいしくて、節約にもなるレシピ&アイデア166ふじたかな/KADOKAWA

 止まらぬ物価上昇が深刻度を増している。安い食材を使って満足できるおかず作りをする必要に駆られているのは食べ盛りの子どもがいる家庭だけでなく、一人暮らしの人や年金暮らしの人も同じだろう。

 2025年2月に発売された『ずるいおかず 最強にラクなのにおいしくて、節約にもなるレシピ&アイデア166』(ふじたかな/KADOKAWA)は、フライパン一つでかんたんにおいしいおかずが作れるレシピ本だが、それだけにとどまらず、かさ増し食材のアイデアが豊富で珍しい組み合わせの食材を使ったレシピも魅力となっている。

物価高対策のかさ増し食材その1「厚揚げ」

 本書でもっとも活躍しているかさ増し食材として挙げられているのが厚揚げ。かさ増しに豆腐を水切りして入れることもあるが、厚揚げなら水切りはいらないらしい。地味に面倒な手間を省くこともできる家計にも作り手にやさしい食材だ。

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 ハンバーグやつくねなどの肉だねに厚揚げを加えることで、肉が少なくてもたっぷりボリューム感のあるおかずが完成するのはもちろんだが、「厚揚げきのこハンバーグ」はもっと大胆。厚揚げをくり抜いた中に肉だねを入れてハンバーグのように焼くことで、合いびき肉200gで4人分のボリュームたっぷりハンバーグが完成するのだ。

物価高対策のかさ増し食材その2「えのきだけ」

 えのきだけも、本書でかさ増し用によく登場する食材。厚揚げと同様に肉だねの中に入れてかさ増しをするのに加えて、チヂミや卵とじの具材としても登場している。

 面白いのは「揚げない唐揚げ」の衣としてもえのきだけは活躍しているのだ。一口大に切って下味をつけた鶏もも肉に、細かく切ってにんにくと片栗粉をまぶしたえのき衣をまとわせ、少量の油で揚げ焼きに。えのきのうまみが感じられる唐揚げ風の一品が完成だ。まさか節約のためのかさ増し食材のおかげでうまみもアップできるとは驚きである。

 著者によると、スパイス塩やチリソースなどをつけて食べるのもおすすめとか。

節約だけにとどまらないずるいおかずの魅力

 ここまで、かさ増し食材を使った節約レシピを中心に紹介してきたが、本書の魅力はこれだけにとどまらない。そのうちの一つは、使用している食材がごく一般的で誰でも手に入れられるものばかりであるにもかかわらず、その“組み合わせ”が斬新なのだ。

 本記事を執筆しているライターが実際に作って特におすすめだと思ったのが、「ミニトマト塩つくね」と「みそ豚でストロガノフ風」。

「ミニトマト塩つくね」は、鶏肉のたねにミニトマトを埋め込んで焼いた一品。コロコロした見た目がかわいく楽しいため、子どもにも喜ばれること請け合いで、大人はお酒のアテにするのもいいだろう。

「みそ豚でストロガノフ風」は、みそ漬けの豚肉を使ったレシピ。そのまま焼いて完成させてもおいしいみそ豚だが、本書では、きのこ類とともに焼き、豆乳を加えて洋風の一皿に仕上げている。しっかり味のついたみそ豚を使用するので、ズバッと味が決まるのもうれしいポイントだ。

 このレシピを手に入れてから料理が楽しくなった。かさ増しのアイデアは他の料理にも応用できるし、意外な食材の組み合わせを知ると、おかず作りのレパートリーが広がるからだ。冷蔵庫の中にあるものだけを組み合わせて作ることも試すようになった。

 かさ増しの食材として、厚揚げとえのきだけ以外のものを使うのもアリだ。あなたの家の定番のかさ増し食材はなんだろうか? ぜひ、それを使って本書のレシピにアレンジを加えて作ってみてほしい。それだけ懐の深いレシピ本なのだ。

文=須川奈津江

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