「センスがない」は幻想!? 論理的な解説と豊富な図解で解説する、誰でも使えるデザインの方程式

ビジネス

公開日:2025/3/27

デザインにセンスはいらない デザインの解剖図鑑しまやす/KADOKAWA

「センスがない」という言葉を通して、自身の課題を表現したことはないでしょうか。本書『デザインにセンスはいらない デザインの解剖図鑑』(しまやす/KADOKAWA)は、その呪縛から私たちを解放してくれる一冊です。著者のしまやす氏は、デザインを「センス」という曖昧な言葉ではなく、論理的に分解し、誰もが学べる体系として提示しています。

 本書の最大の魅力は、「デザイン」という抽象的な概念を具体的な「解剖図」という形で可視化している点。写真やイラストを使った豊富な図解により、レイアウト、配色、余白など、デザインの基本要素が体系的に整理されています。各ページには具体的な実例に基づいた提案や解説が加えられ、「なぜそうするのか」「どう実践するのか」が明快に示されています。

 書籍は全9章で構成され、「デザインとは?」「レイアウト」「文字」「図版・図解」「配色」などパートごとに図解を用いてデザインとしての観点を整理。特に印象的なのは、どのセクションでの解説も視認性の高いノウハウ図解を用いていることです。かつ、具体例も豊富に紹介されているため、楽しみながらも学びを得ることができるのです。

advertisement

「センス」という幻想からの解放

 本書の核心はなにか。それは、タイトルにも冠されている通り、「センスはいらない」という主張にあります。著者は「デザインセンス」という天賦の才の代わりに、要素と原則を理解し組み合わせる、論理的な視点からの思考を提案しているからです。

 たとえば、「文字」の章では、フォント選びから文字の大きさ、行間、字間まで、読みやすさや印象を左右する要素を細かく解説。「配色」の章では、色の持つ心理的効果から、配色パターンの作り方まで、理論に基づいた選択方法が示されています。

 これらを理解し応用することで、誰でも効果的なデザインができるというメッセージは、デザインの初学者や、ビジネスにデザイン観点を取り入れたいと考える人にとって、大きな希望になってくれるように感じます。

「デザイン」という観点を仕事に活かすために

 また、本書は理論だけでなく、実践的なアドバイスも豊富に散りばめられています。特に後半では「仕事を受注する流れ」についても触れられており、デザインの知識を実際の仕事にどう活かすかの指針として役立つ内容が盛り込まれる設計に。

 クライアントとのコミュニケーション方法や、デザイン制作のプロセス、効果的なプレゼンテーション方法など、実務に直結する内容は、これからデザインの仕事を始めたい人や、すでにデザイナーとして活動している人にとっても参考になるでしょう。

 本書を読み終えることで得られるのは、デザインを見るための視点。街を歩く際の視線が変わり、広告や商品パッケージを見る目が鋭くなるなど、それまで漠然と「かっこいい」「きれい」と感じていたものの背後にある論理と構造を見抜く力が養われるからです。

 デザインは特別な才能ではなく、学び磨ける技術である、というのが本書に込められたかけがえのないメッセージ。「センスがない」と諦めていた人こそ、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

文=詩乃

あわせて読みたい