あたりまえの毎日がちょっと愛おしくなる。ペンギン親子が紡ぐ、“平凡だけど幸せ”な日々の物語【漫画家インタビュー】

マンガ

更新日:2025/4/11

 最新の書籍や人気の漫画作品の情報を発信する「ダ・ヴィンチWeb」。今SNSを中心に話題を集めているホットな漫画を、作者へのインタビューを交えて紹介する。

 ペンギン親子の心温まる作品『ちゃんぺんとママぺんの平凡だけど幸せな日々』をピックアップ。可愛らしいキャラクターと親子愛が、X(旧Twitter)を中心に人気が高まっており、10万以上のいいねが集まる投稿も。その反響を受け、2025年4月4日には待望の書籍化が実現した。

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 作者・お腹すい汰(@onakapeko10)さんへのインタビューを通じて、キャラクターたちが生まれたきっかけや創作のこだわりを聞いた。

母を癒やすため...…健気なちゃんぺんの姿に感動

 海苔で作った「おかえり」の文字がついたお弁当。スマホに収めた、ベランダから撮った花火の動画。全ては、お仕事から疲れて帰ってきたママぺんのため。息子・ちゃんペンの健気で優しい行動に、「思わず涙が止まらない」との声も多数。

 疲れて帰ってきた日も嫌なことがあった日も、家族の笑顔が癒やしてくれるからまた明日も頑張れる……ペンギン親子の何気ない日常に、心が温まる物語だ。

互いを思い合うペンギン親子に触れて、温かい気持ちになってほしい

ーー『ちゃんぺんとママぺんの平凡だけど幸せな日々』を創作したきっかけや理由を教えてください。

 最初は犬や猫など色々なキャラクターを描いていましたが、ペンギンのキャラクターを描いたところ反響が多くありました。

 描き始めた頃はコロナ禍の真っ最中でした。重苦しく不安な世の中だったということもあり、ペンギンのキャラクターをメインにクスッと笑えたり、少しでも読んでいただいた方々を癒やすことができればとの想いで描き始めました。

 さらに2024年8月末に投稿した、ママぺんにおにぎりを作ってお留守番をしている回が今までにない反響を呼び、その話がきっかけで『ちゃんぺんとママぺんの平凡だけど幸せな日々』の形に仕上がりました。

ーー本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?

 ちゃんぺんがママぺんのご飯を作ってお留守番しているシーンなどが引用されることも多いですが、日頃ママぺんから深い愛情を注がれて育っているという部分も見てもらえると嬉しいです。

ーー特に気に入っているお話を教えてください。

「優しい教育」です。以前、私の甥っ子が感情的になり、おもちゃを壁に投げてしまったことがありました。後になって、自分で壁に絆創膏を貼っていたそうです。その様子を妹が写真で送ってくれ、ほっこりした気持ちになりました。その温かな気持ちを、そのまま作品に込めました。

ーーちゃんぺんの優しさと、それに涙するママぺんに心を掴まれます。可愛らしく優しいキャラクターたちは、どのようにして生まれたのでしょうか。

 ちゃんぺんは子どもらしい一面もありますが、この年齢ではできそうにない振る舞いが描かれている場面もあります。大人になった今、母親への感謝の気持ちを抱くようになり、「自分がちゃんぺんの立場ならどんな振る舞いをするかな」という思いも込めている部分があります。

 その他にも、自分の甥っ子や姪っ子の優しさに触れたり、好きな音楽を聴いて生み出していたりもします。

ーー単身赴任中のパパぺんが気になるのですが、今後登場が増えたり、一緒に暮らしたりする予定はありますか?

 読者の方から、パパぺんの登場を望む声をたくさんいただいています。一緒に暮らすかどうかは今は秘密ですが、期待にお応えできるように登場回数は増えるかと思います。

ーー本作を通じて描きたいこと、伝えたいことはありますか。

 この作品は、いろんな解釈をされる方が多いなと感じています。タイトル通り優しい気持ちになる方もいれば、そうでない方もいて、読者のみなさんがが育ってきた環境などで捉え方が大きく変わるんだなと実感しています。

 私の想いとしては、悲しい話ではなく”お互いを思いやる親子の話”という気持ちで描いています。それが伝わり、共感してもらえる人が増えると嬉しいです。

ーー今後の展望や目標をお教えください。

 まずはコツコツと今後も毎日漫画投稿を続けていきたいです。その上でグッズ化やアニメ化など、もっと多くの方に知ってもらえる機会を増やしていきたいです。

ーー作品を楽しみにしている読者の方々へメッセージをお願いします。

 いつも応援ありがとうございます! なかなか全てに返信できませんが、皆様からの温かいメッセージ読ませていただき、皆様から優しさをいただいているなと日々実感しています。これからもたくさんの方々に応援していただけるように頑張りますので、よろしくお願いします。

 また、たくさんの応援のおかげで書籍化が決まりましたので、ぜひお手に取ってもらえると嬉しいです。

取材・文=ネゴト / fumi

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