ついに完結!岩田剛典、田中みな実ら出演の実写ドラマも人気の漫画『あなたがしてくれなくても』。結末を迎えるまでの過程を振り返る【原作者・ハルノ晴インタビュー】
PR 公開日:2025/4/24
「やっぱり漫画が大好き」ハルノ氏が漫画を描き続ける理由とは
――先生ご自身が一番共感するキャラクターは誰ですか?
ハルノ:一番というか……全員のダメなところですかね。陽ちゃんの「面倒くさいな」と感じるところも、みちのうじうじしているところも、キャラクターたちのダメなところは私のダメなところが全部出ていると思います
――自分のダメなところをキャラクターに反映させるためには、自分自身と向き合わなくてはいけないですよね。それって大変なことじゃないかと思うのですが。
ハルノ:私がもともと、すごく小さなことでも気づいてしまうタイプなんですよ。普通の人がスルーすることで何日も悩んだり。だから改めて向き合うというよりは、そういう時に考えていたことが役に立ったというか。この性格がずっと嫌でしたが、漫画家になったことでちょっと報われたのではないかと思います。
――ちなみに連載中の想いでは「辛かった」「苦しかった」というお話が多くありましたが、それでも漫画を描きたいと思うのはなぜですか?
ハルノ:それはやっぱり漫画が大好きだからですね。もう大好きで大好きで、やっと漫画家になれたからです。描きたくても描かせてもらえない時代がすごく長かったので、描く場をいただけているだけでもありがたいです。あとは担当さんや周りの方に褒めてもらったときや「売れてます」と言われたときに、「もっと結果を出せるように頑張ろう」って思います。
編集:私が引き継いだばかりの頃、新名さんの髪が濡れているシーンの原稿をいただいたんですよ。それが色気のあるいい絵で「めちゃくちゃいい絵ですね!」と言ったら、次の回の新名さんの顔がバチバチに決まっていて。「すごく時間をかけて描かれたんだろうな」という原稿を送ってくださったのが印象的でした。「今回もとてもいいですね」と言ったら「前回褒めてくれたので気合を入れました!」とおっしゃって、なんて素直で可愛い人なんだろうと(笑)。
ハルノ:(笑)。単純なんです。
――長期連載を終えて、何か自分にご褒美をあげたりはされましたか?
ハルノ:いや、特にないですね。『あなたがしてくれなくても』を描いたおかげでいろんな素敵なことが起こったので、それ自体がご褒美です。
取材・文=原智香