103万の壁が123万に? それってお得ですか? パートから正社員になれるチャンスに夫は「損するよ」/妻のお金 新ルール
更新日:2025/4/18
Q.妻の疑問
103万の壁が123万に? それってお得ですか?
A.先生の答え
減税なので、すべての働く人が得します
103万円の壁が引き上げられて、123万円になります。給与所得控除と基礎控除がそれぞれ10万円ずつ増えて、実質的な減税に。働く人すべてに恩恵があります。
扶養に入っている妻にとっては、いわゆる「税金の壁」が変わることに。所得税の支払いが生じる年収が123万円になるので、122万円までは所得税の負担なしで働くことができます。
ただ、そもそも2024年時点で、103万円の壁は妻にとってあまり重要ではありませんでした。税金は、壁を超えた途端に重くのしかかるのではなく、超えた分の所得に応じて少しずつかかってくるものだからです。「壁」というイメージは実態に合いませんし、ここを意識して働き控えすることも意味がないといえるでしょう。
これまで103万円の壁が意識されてきたのは、妻の所得税よりも夫の配偶者控除の影響によるところが大きかったのではないでしょうか。かつては、妻の年収が103万円を超えると、配偶者控除を受けられなくなり、夫の手取りが減ってしまったためです。夫の手取りのために妻が収入を制限するというところに「はて?」と思うのですが……。
そんな配偶者控除の壁も、すでに解消されています。妻の年収150万円までは配偶者特別控除を満額受けられるので、夫の手取りが減ることはありません。また、103万円の壁の引き上げにともなって、150万円の壁も160万円に引き上げられます。今後は、妻の年収が160万円を超えたところから夫の配偶者特別控除が減り始めます。控除が完全になくなるのは201万円で変わりません。