祖母の戸籍は事実と異なっていた。他県の住職が語ってくれた祖母出生の秘密/家系図つくってみませんか?
公開日:2025/4/22
ご住職のお宅の戸籍をさかのぼって取得
委任状をいただいた私は早速、ご住職の安本家の戸籍をできるだけ古いところまで取得していきました。
最古の戸籍は、ご住職のご祖父(安本賢尚)を戸主とするものでした。
3人の妻がいらっしゃったとのことですが、戸籍で確認できたのは3番目の妻とされるご住職の祖母である「良枝」だけでした。残念ながら1番目、2番目の妻は戸籍には載っていませんでした(籍を入れていたか否かも不明)。
3番目の妻である良枝の身分事項欄を見ると、「C県〇〇郡立浪村10番地戸主・塚田玄一妹」とあり、父親名は「塚田源一郎」と書かれています。さらに電話帳で確認すると、現在もその番地(C県〇〇市大字立浪10番地)に確かに塚田姓の家があることがわかりました。
私の推測が正しければ、ご住職の祖父は2番目の妻との間にできた娘・多美を知り合いの島内家の子として届け出て島内多美として育てた(しかし、島内家では暮らしてはいない)。その後、3番目の妻を迎えたが、その3番目の妻・良枝はC県の塚田家の娘である。やがて、島内多美が成長して婚姻相手を探す中で、3番目の妻となった「良枝の兄」である塚田拓郎と婚姻をさせた。
つまり、先妻との間にできた娘を、現在の妻の兄と婚姻をさせたということになります。図表13のような関係になると考えたのです。

これは私の勝手な直観・推測ではありましたが、どうもそんな気がしたのです。
ここでまた、私は「さてどうしよう」と考えました。
委任状を書いてくださった安本住職から見れば良枝は祖母ですから、その良枝の実父母については直系ということになります。ですので、さらに良枝の実家(C県の塚田家)の戸籍をC県の役所に請求すれば塚田家時代の良枝が載っている戸籍も取得でき、その中に「塚田拓郎」が兄として記載されている可能性もあるのです。
ただし、ここまで来たら直接C県の塚田家にお願いをしてご先祖の中に「拓郎」という方がいるかどうかをお聞きし、場合によっては、こちらでもまた委任状をいただいて塚田家の戸籍をさかのぼって取得したほうがより明確にわかるのではないか、私はそのように考えました。
依頼人の塚田季明さんも同様のご意向だったので、電話帳に掲載されている塚田家に手紙を書いてみることにしました。
<第5回に続く>