15年ぶり新作アニメも話題! ハイクオリティな笑いとクセ強キャラを25年にわたって生み出し続ける『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GB』

マンガ

PR 公開日:2025/4/23

増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GB増田こうすけ/集英社

 何十年も変わらずにクオリティを維持し続けた、もしくは維持し続けているマンガはどれだけあるだろうか。その中でさらに「ギャグマンガ」という括りを加えて考えると、今はこの作品が筆頭になるのは間違いないと思う。

 2000年から連載が始まり、25年の時を経てこの春に新たな盛り上がりを見せている『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』(増田こうすけ/集英社)。原作は現在「ジャンプSQ.」で『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GB』と名を変え、今もなお連載が続いている。改題前の全15巻と合わせたシリーズ累計は650万部を突破。タイトル名を裏切ることのないギャグマンガだ。

15年ぶり5度目のTVアニメも放送中

 この春の新たな盛り上がりとは、TVアニメ『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GO』の放送開始である。15年ぶりでしかも5度目のアニメ化であり、スタッフ、キャストも再集結。ちなみに第1話と第2話の放送を観たが、うさみちゃんとクマ吉くんの会話のバカバカしさ、チュパカブラのワードセンス、そして絶妙な間とテンポと声優陣の怪演が加わって、原作マンガを読んでネタもオチも知っているはずなのに思わず声を出して笑ってしまった。

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クセ強キャラのオンパレード

 前置きが長くなったが原作『ギャグマンガ日和GB』の内容を。本作は前作と同じキャラのエピソードはあるものの、ストーリー展開やキャラクターの成長は、ほぼない。これは物語性ではなく純粋に「笑い」を追求しているからだ。コメディではなく、ギャグマンガなのだ。

 登場キャラは本当に多種多彩。その中から代表的なキャラをピックアップすると、聖徳太子、小野妹子、松尾芭蕉といった教科書に出てくる歴史上の人物たち。なかなかヒドく(褒め言葉)デフォルメをされた彼らが、独特のハイテンション&ハイテンポなセリフ回しの会話で笑わせてくる。

 聖徳太子と小野妹子の掛け合い、松尾芭蕉をいじる弟子の河合曽良。彼らの新作エピソード、というか新ネタが令和の現在まで生み出され続けている。芸歴25年と考えればかなりベテランのお笑い芸人だ。

 そしてクセの強いオリジナルキャラも挙げないわけにはいかない。ずっと報われないマンガ家・夢野カケラや、本作の主人公に設定された「龍」もいた(忘れている読者が多いと思う)。個人的に大好きなのは、夢見がちで適当すぎる性格の克明さんと、そのフィアンセの女性だ。彼らのボケとツッコミの応酬は秀逸だと思う。

 そして、うさみちゃんとクマ吉くんだ。彼らのブラックでエグい笑いはクセ強キャラのなかでもひときわクセになる。特に、作中きっての変態キャラ・クマ吉くんはずっと変わらない。変わらなすぎて、コンプライアンスの厳しい令和に放逐していいものか心配になるほどだ。


どの巻、どの話から読んでも笑える“変わらない”面白さ

 面白すぎるキャラたちが独特のノリで私たちの脳を揺らしてくる本作。深く考えずに楽しめるため、ただただ笑いたいときやリフレッシュしたいときに最適だ。

 歴史や古典作品の知識があればより楽しめるが、もちろんそんなものはなくても全然心配はいらない。そして一話完結だから、どこから読んでも、何巻から読んでも大丈夫。だからもし、書店で見つけて全巻揃っていなくても、お試しに適当な巻を選んでOKなのも大きな魅力だろう。

 新作アニメの動くキャラクターたちとともに、25年間変らない面白さと、そのスゴさをぜひ体感していただきたい。手放しでお勧めの作品だ。

文=古林恭

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