「よくないことが起こる」と帰宅中、占い師に呼び止められた女の子。水晶玉に浮かび上がった数字の意味は?/とけるとゾッとする こわい算数2-③
公開日:2025/5/15
『とけるとゾッとする こわい算数(2)赤い女は何人いるでしょう?』(小林丸々:作、亜樹新:絵/ポプラ社)第3回【全6回】
算数の問題を解きながら、隠された意味に気づくと恐ろしい真実が浮かび上がる…。怖い話が大好きな女の子で案内役のフミカちゃんと一緒に、問題に隠された謎を解こう。累計35万部突破の『本当はこわい話』著者による、解けるとゾクッとする算数×こわい話×ナゾトキがひとつになった新感覚ショートストーリー集第2弾『とけるとゾッとする こわい算数(2)赤い女は何人いるでしょう?』を、好評につき再掲載でお届けします!

問題13 危険な数式
小学校からの帰り道。マリコちゃんは「水色のランドセルの女の子!」と呼びとめられました。
顔を向けると、歩道のはしっこにいすと机があって、一人のおばあさんが座っていました。
黒いローブを着て、ウェーブした銀髪の彼女はミステリアスな雰囲気です。
机の上に水晶玉があったので、占い師だろうと思いました。名前を聞かれたので答えると、おばあさんはマリコちゃんの目を見つめました。
「マリコちゃん、近い将来、あなたによくないことが起きるわ。あなたがわたしの前を通ったときに、トゲトゲしたオーラを感じたからね」
えっ、と息をのみ、マリコちゃんは青くなりました。
「だいじょうぶ。運命は絶対じゃないわ。注意していればさけられるからね」
そういうとおばあさんは、見開いた瞳で、水晶玉をけんめいにのぞきこみました。
「うーん、こんな数字が見えるわね」
おばあさんは、メモ用紙にボールペンを走らせました。
「40-21」
それは、ひき算の数式みたいでした。
「これって何ですか?」
たずねましたが、おばあさんにも具体的なことはわからないようです。
「他にも、ひらがなが横に1文字書いてあるみたい。だけど、ぼやけていてハッキリ確認できないわ」
うーん、と腕を組んだ二人。
「とにかく、コレを目にしたら急いでその場から離れなさい。そうしたら安全だから。いいわね?」
マリコちゃんは、頭の中で考えます。
ひき算が出てくるところっていえば、学校か塾よね。
そこで注意していれば、危険な運命をさけられるわ。
マリコちゃんは、おばあさんにお礼を伝えました。
もらったメモ用紙を見つめながら、ふたたび帰り道を歩きだします。
メモ用紙に書かれている、ひき算の答えを求めなさい。
