でかくてもふもふ、その姿は蜂というより小型犬! ふてぶてしいけどかわいい、“はち”の魅力に迫る【漫画家インタビュー】
公開日:2025/4/28

最新の書籍や人気の漫画作品の情報を発信する「ダ・ヴィンチWeb」。今SNSを中心に話題を集めているホットな漫画を、作者へのインタビューを交えて紹介する。
ずんぐりむっくりしたシルエットの”はち”の日々を描く『でかいはち』をピックアップ。本作を手がけるのは、これまでもかわいい魚が登場する『店番のスピス』や、自身が飼うペットのハムスターたちの生態を描いた『今日もハムスターから目が離せない!』などキュートな生き物を手がけてきた遊ハち(@nemone_2)さん。
かわいく愛くるしいはちの姿がSNSで反響を呼び、次にくるマンガ大賞2024Web部門で11位にランクインしたり、ぬいぐるみなどのグッズも多数発売されたりするなど、多くのファンを持つ本作。今回は作者・遊ハち(@nemone_2)さんにインタビューを行い、『でかいはち』を生み出したきっかけや作品の見どころを教えてもらった。
大きいけど怖くない⁉ 不思議な”はち”と人々との日常
ある日突然、とある高校に現れた”でかいはち”。サイズ感やシルエットはまるで小型犬のコーギーだが、配色や身体の造りは確かに虫である蜂の面影がある。しかし蜂にしては大きいわりに、どうやら攻撃力は皆無な様子。その代わりに人間の生活や暮らしを短い手足で自分も真似しようと、好奇心は旺盛なようである。
さらにこのはちは、一匹だけでなく気づけば大量に町のあちこちに存在している。好みや性格も個体差があるように、それぞれのはちたちと人間の暮らしも千差万別。
そんなはちと一緒に暮らすさまざまな人々の日常を、本作はほんわかとしたタッチでオムニバス形式に描いている。
かわいいキャラが「かわいい」だけじゃ意味がない
──『でかいはち』を創作したきっかけについて教えてください。
イラストの脇役で偶然生まれたキャラを描き続けていく中で今のかたちになりました。
──かわいいはちたちを描く上で、気を付けていることはありますか?
全身で感情を表現したり、それぞれが好き勝手に動いたり、思いっきり変な顔をしたり。全力で元気でふてぶてしくなるよう意識しています。
──『でかいはち』の中で、特にお気に入りのエピソードを教えてください。
地雷ちゃんとはちのエピソードが特にお気に入りです。
私はもともと「かわいいキャラクターが『かわいい』だけじゃ意味がない」と思っているので、顔芸をやったり容赦ないギャグをやったり、女の子とふてぶてしい生き物のやり取りは、自分の描きたい理想に近いかなと思っています。
──本シリーズの他にもご自宅のハムスターたちのお話や『店番のスピス』、『嗚呼、たぬきはもうだめです』など、小さくてコロコロしたかわいいキャラクターたちの創作を多数されています。そういった作品や創作が好きな理由はなんでしょうか?
かわいいキャラクターに関しては、好きというより「得意」でした。
大学時代、文化祭で販売していた猫のキャラグッズがきっかけで仕事をいただいたことがありました。そこで自分がかわいいキャラクターを描くのが得意だと気づき、描き続けてきました。
本来の好きなのは、かわいいものではなくニコニコ動画のようなネットミームやギャグ漫画です。
ですが、描くのが得意なかわいいキャラクターに自分の好きなギャグ漫画の要素が入ったことが、自分の作品の魅力になっていると思います。
──最後に、作品を楽しみにされている読者へのメッセージをお願いします。
いつもありがとうございます。今後も継続して描き続けていきたいと思います。