ズボラさん、筋力ゼロさん必読。30秒あればOKな「ゆる〜い筋トレ」で体が変わった!『疲れた体と心をリセット! 限界ズボラゆるトレ大全』【書評】
公開日:2025/5/24

忙しい毎日のなかで、体のケアを意識するのは意外と難しい。ダイエットや健康管理の大切さは分かっていても、つい面倒で後回しにしてしまう人は少なくないはず。
そんな「できない自分」にも寄り添ってくれるのが『疲れた体と心をリセット! 限界ズボラゆるトレ大全』(いしかわひろこ/KADOKAWA)だ。運動を始めたいけど始められない…そんな人もゆるく続けられる、まさに救世主のような1冊だ。
著者は、運動嫌い・筋力ゼロを公言するアラフォーの漫画家だ。30歳を過ぎてから体調不良が続き、ついには「不調じゃない日がない」と感じるほど限界状態に。そんな自分の体をなんとかしようと、無理せずできる筋トレやストレッチに挑戦する。作中には、理学療法士や鍼灸師など専門家の監修を受けた、初心者にも優しいゆるトレメニューが並ぶ。
背中が張るときに三角座りで行う簡単ストレッチや、湯船に浸かれない日でもシャワーを使ってできる脚のほぐし方など、どれも特別な道具や準備は不要。広いスペースもいらず、思い立ったときに30秒や1分で始められる内容ばかりだ。運動しなきゃとかまえるよりも「体をいたわる習慣」のように自然に取り入れられるだろう。
イラストも可愛らしく解説も丁寧なので、運動が苦手でも「これならできそう」と感じられる安心感もある。
本作の根底にあるのは「少しずつでも、動けば体は変わる」という著者からの前向きなメッセージだ。ハードな運動をしたり完璧な動きをマスターしたりする必要はなく、ほんの少し体をほぐすだけでも調子が良くなる。調子が良くなると、不調を理由に諦めていた場所にも行けるようになる。コンプレックスも解消されて、自分を少し好きになれる。そんな小さな積み重ねが、日々を変えていくきっかけになるのだ。
運動が嫌いな人、いつも三日坊主な人にこそ読んでほしい。本作をきっかけに、「ズボラなままで楽しく健康になる道」がきっと見つかるはず。
文=ネゴト / fumi