大阪万博 注目度低いと言われるもガイドブック/関連本の売れ行き好調!2025年3月に話題になった本は?【なんでもランキング】

ダ・ヴィンチ 今月号のコンテンツから

更新日:2025/6/4

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年6月号からの転載です。

2025年3月のベストセラーランキングは、開幕目前の万博ガイドが1位に
昨年末公開『忍たま』映画の人気が続く

 総合ランキング1位は『大阪・関西万博ぴあ』。7位にも同博覧会の公式ガイドブックが登場している。世論調査等で関心の低さが指摘され、前売りチケット販売の不振も伝えられるが、少なくとも本の売れ行きを見るかぎりはそれなりに注目されているようだ。この号が出るころにはすでに開幕しているわけだが、入場した人の感想等によっては関連書の売り上げも伸びるかもしれない。

 英単語や英文法についての参考書・問題集が4点もランクインしている。新学期に備えてなのか、それとも入試や就職活動のためなのか。『プロ野球カラー名鑑2025』や『2025 MLB 選手名鑑』とともに、春の訪れと年度替わりを感じる。

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 驚きは『大ピンチずかん』と『大ピンチずかん2』がランクインしたこと。24年8月期以来、久々の登場だ。子ども向けの絵本だが、大人も笑える。入園や進級、入学祝いのプレゼント需要だろうか。ちなみに正編は2022年2月、続編は23年11月刊行。第3巻が25年4月10日に刊行された。
 映画『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』の公式ビジュアルブックも20位に登場。

 コミックはランキング上位常連の人気作が並んだ。1位の『ONE PIECE』は111巻のゾロ目に。出版社別では集英社強し。
 文庫ランキングに書き下ろし時代小説が登場せず。ライトノベル(「ようこそ実力至上主義の教室へ」シリーズや「ソードアート・オンライン」シリーズ)やネット発の小説(「わたしの幸せな結婚」シリーズや『変な絵』)が存在感を増している。

文=永江 朗

読者が選ぶ 今月読んで面白かったおすすめ本

一般

★1位『藍を継ぐ海
○もっととっつきにくい話かと思いきや、科学や自然が好きになる物語だった。(34・女)
○著者の特徴かと思うが、寂しさの中にじわっと温かさが感じられる。(69・男)
○自然現象にまつわる人間ドラマが深い。「祈りの破片」で語られる歴史の重さをしっかり受け止めました。(37・女)

『藍を継ぐ海』
『藍を継ぐ海』(伊与原新/新潮社)1760円(税込)

★2位『そんなときは書店にどうぞ

『そんなときは書店にどうぞ』
『そんなときは書店にどうぞ』(瀬尾まいこ/水鈴社)1760円(税込)

★3位『月とアマリリス

『月とアマリリス』
『月とアマリリス』(町田そのこ/小学館)1870円(税込)

文庫

★1位『六人の噓つきな大学生
○(え、あの人が犯人なの……そうだよね……あれ、違うの……!? ちょっと待って、あの人が犯人……!?)のようなどんでん返しが続くし、伏線の張り方が本当に素晴らしかったです。読後感の満足度も本当に高くて、読んでよかった─!と思えた久々の作品でした。(46・女)

『六人の噓つきな大学生』
『六人の噓つきな大学生』(浅倉秋成/角川文庫)814円(税込)

★2位『世界でいちばん透きとおった物語

『世界でいちばん透きとおった物語』
『世界でいちばん透きとおった物語』(杉井 光/新潮文庫nex)737円 (税込)

★3位『教誨

『教誨』
『教誨』(柚月裕子/小学館文庫)891円(税込)

コミック

★1位『ミステリと言う勿れ』(15)
○大好きな登場人物とのお別れがあり、とても切ない巻だったけど、整くんの大切な想い出に一緒に寄り添う温かい時間だった。(43・女)
○読み終えてから表紙を見ると切なさがこみ上げてくる。今までで一番整くんの感情があらわになった巻だったと思う。(35・女)

『ミステリと言う勿れ』(15)
『ミステリと言う勿れ』(15)(田村由美/小学館フラワーCα)594円(税込)

★2位『よつばと!』(16)

『よつばと!』
『よつばと!』(あずまきよひこ/KADOKAWA電撃C)847円(税込)

★3位『ゆるり 愛しのひとり旅

『ゆるり 愛しのひとり旅』
『ゆるり 愛しのひとり旅』(おづまりこ/文藝春秋)1430円(税込)

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