TK from 凛として時雨「日本の音楽がアニメカルチャーを通じて海を越えた」アニメ『東京喰種』主題歌で体感した気付きと喜び【インタビュー】

公開日：2025/6/4

雑誌『ダ・ヴィンチ』の人気コーナー「カルチャーダ・ヴィンチ」がWEBに登場！
音楽コーナーでは、注目の新譜をリリースするアーティストにインタビューします。

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年6月号からの転載です。

TK from 凛として時雨インタビュー
キャリアを重ねてくると、自分にはない世界が見たくなるんです

　約5年ぶりのオリジナルアルバムを発表したTK from 凛として時雨。作品ごとにまったく異なる表情を見せてくれる彼の楽曲はとても実験的で柔軟だ。だからこそ、今作でもヨルシカのsuisや稲葉浩志など、ジャンルの異なるアーティストとコラボすることで、毎回驚くほどの化学反応を起こし続けている。

「キャリアを重ねてくると、自分にはない世界が見たくなるんです。リスペクトしている方とコラボをすることで、自分だけでは作れない楽曲が生まれるのはもちろん、仮歌の録り方や、トラックの作り方、ボーカルの声の出し方などミュージシャンとしての息吹を感じることができるんですよね。それらは、僕が今後成長するために必要なものです。さらに僕は海外でよくレコーディングをするんですが、そうすると明らかに違う音が生まれます」

　そうしてこだわり抜いた中で生まれた楽曲は、日本のみならず、世界で愛されている。
「イギリスで制作していた時に、現地のスタジオスタッフの子が、アニメ『東京喰種トーキョーグール』をきっかけに『unravel』を聴き、歌を始めたと教えてくれたんです。これまで日本の音楽は世界では浸透しにくいと言われてきた中、アニメカルチャーを通して、僕の音楽が伝わっていることが体感できた瞬間でした。時代の移り変わりを感じましたし、自分の信じているものが海を越えて伝わったことがすごく嬉しかったですね」

　そんな彼だからこそ、アニメ主題曲を作るときに大事にしていることがある。
「原作がある場合、まずはそれを読み込み頭に入れて、原作ファンと同じ温度感になってから、自分なりの解釈を入れています。そうすることでアニメと曲をつなぐ、ファンの共通認識が生まれるんですよね。だからこそ、曲作りに膨大な時間がかかりますが、今後もこの作り方は変えずに、こだわり続けていきたいです」

取材・文＝吉田可奈

てぃーけー・ふろむ・りんとしてしぐれ●凛として時雨のボーカル&ギター。同バンドにおいて全作曲、作詞、エンジニアを担当。2011年にTK from凛として時雨名義で初のソロ作品となる『film A moment』をリリース。14年にリリースした『unravel』がアニメ『東京喰種トーキョーグール』のOP主題歌として世界中で大ヒット。

『Whose Blue』TK from 凛として時雨　発売中（Sony Music Lables）

完全生産限定盤（2CD＋BD＋写真集）　1万6390円（税込）
通常盤初回仕様　（CD）3850円（税込）
来年、ソロとして活動15周年を迎える彼のニューアルバム。「絶対に無理だと思っていた」というB’zの稲葉浩志とのコラボ曲『Scratch』や、ケンモチヒデフミがプログラミングで参加した『Microwaver』など、様々な挑戦に満ちた楽曲が並ぶ。完全生産限定盤は、TK自身がアイスランドで撮影した、美しく、温度感が伝わる100ページに及ぶ写真集で構成された上製本パッケージとなっている。

NEW RELEASE

『Why don’t you 超特急?』超特急　発売中（ユニバーサルミュージック）

初回限定盤（CD+BD）6600円（税込）
通常盤（CD）2750円（税込）
この1年でさらに勢いを増している超特急が、現在と未来を表現したEP。心躍るホーンラインが笑顔を誘う『キャラメルハート』や、超特急らしいトンチキメタルポップ『メタルなかよし』など、彼らの魅力が凝縮された全6曲。

『世界でいちばんアイドル／ひみつのふふふ』超ときめき♡宣伝部　発売中（avex trax）

アイドル盤（CD+DVD）2500円（税込）
ふふふ盤（CD+DVD）2500円（税込）
超ときめき♡宣伝部盤（CD）1500円（税込）
『世界で〜』はデビュー10周年を迎える彼女たちからのラブレターのような愛が溢れたハッピーソング。自己肯定感の上がるメッセージと、ファンに贈る歌詞に注目。『ひみつの〜』はキャッチーでかわいらしい王道アイドルソング。