「愛想をふりまく」は言い間違い? ふりまいていいものはなに?/毎日雑学
公開日:2025/7/30

「愛想をふりまく」ふりまいていいものはなに?
「ふりまく」のは「愛嬌」が正解。愛想はふりまくものではありません。正しくは「愛嬌をふりまく」と表現し、可愛いしぐさや表情・話し方をしたときなどに使います。「愛想」が「愛嬌」と語感が似ていることや「愛嬌のない人」「愛想のない人」など同じような使い方があるため誤用につながったとのこと。意味の違いを詳しくみてみましょう。(デジタル大辞泉より)
■意味を理解しましょう
「愛嬌」
1 にこやかで、かわいらしいこと。「愛嬌のある子」「口もとに愛嬌がある」
2 ひょうきんで、憎めない表情・しぐさ。「愛嬌たっぷりに話す」「愛想」
1 人に接するときの態度。また、人当たりのいい態度。「店員の愛想のいい店」「愛想のない返事」
2 人に対する好意・信頼感。「愛想を尽かす」
「愛嬌」は「愛嬌のある顔」のように、その人にもともと身についたものをいうことが多く、「愛想」は「お愛想を言う」「愛想がない」のように、意識的な動作や態度のことを表しています。語感が似ていても意味は大きく違いますね。
文化庁の国語に関する世論調査(平成27年度)では、20代以下の人に間違った使い方が多くみられ、とくに16~19歳については53.6%の人が「愛想をふりまく」を使っているとのこと。
■そのほかの誤用(混交表現)
×「汚名挽回」は「汚名返上」と「名誉挽回」の混合
×「当面の間」は「当分の間」と「当面」の混合
×「出るくぎは打たれる」は「出る杭は打たれる」と「くぎを打つ」の混合
心当たりがある人は、正しい表現を何度も声にだして繰り返し、言い間違いがないよう意識しましょう。
文=尾形圭子
尾形圭子
株式会社ヒューマンディスカバリー代表取締役
キャリアカウンセラー/人材育成講師/僧侶
航空会社と企業の人事部門を経て2004年に会社設立。ビジネスマナー、コミュニケーション、クレーム対応などの研修・講演活動を行うほか、福祉事業所や病院でホスピタリティを活かした「寄り添いの接遇」を指導。「言葉に心をのせて」を大切にしている。
著書は「一生使える電話のマナー」(大和出版)「すぐに役立つ大人のマナーブック」(JAグループ出版)など30冊以上。
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