「ご持参ください」と目上の人に言うのはNG! なんと言うのが正しい?/毎日雑学
公開日:2025/8/6

「当日、持参してください」尊敬語と謙譲語③
「持参」は「持って参る」という意味で自分の行動を謙っている謙譲語です。たとえば「当日はこちらのパンフレットをご持参ください」という言葉は丁寧に聞こえますが、尊敬語と謙譲語を取り違えた間違いで、相手には失礼な言葉になります。相手に持ってくるようにお願いする場合は、尊敬語の「お(ご)~なる」の形で「当日はこちらの申込書をお持ちになってください」あるいは「なる」を省いて「お持ちください」が正しい形です。
そして、お願いするわけですから「恐れ入りますが」や「お手数おかけいたしますが」などのクッション言葉を忘れずに付け加えましょう。そして、語尾を「…いただけますか?」とするとさらに謙った印象になります。以下にまとめました。
■お願いや相手の意向を尋ねる表現を丁寧な順に紹介
1.「お手数おかけいたしますが、当日はこちらの申込書をお持ちいただけませんでしょうか?」
※「具体的なクッション言葉+尊敬語+否定疑問文」最上級にソフトな言い回し
→なんとか相手の同意を引き出したい場合。クレーム対応など。
2.「恐れ入りますが、当日はこちらの申込書をお持ちいただけますか?」
※「クッション言葉+尊敬語+疑問形」
→OKと言ってくれるだろう、という前提がある場合
3.「恐れ入りますが、当日はこちらの申込書をお持ちください」
※「クッション言葉+尊敬語」→その行動がないと物事が進まない場合
状況に応じて使い分けができると、あなたは敬語上級者です!
文=尾形圭子
尾形圭子
株式会社ヒューマンディスカバリー代表取締役
キャリアカウンセラー/人材育成講師/僧侶
航空会社と企業の人事部門を経て2004年に会社設立。ビジネスマナー、コミュニケーション、クレーム対応などの研修・講演活動を行うほか、福祉事業所や病院でホスピタリティを活かした「寄り添いの接遇」を指導。「言葉に心をのせて」を大切にしている。
著書は「一生使える電話のマナー」(大和出版)「すぐに役立つ大人のマナーブック」(JAグループ出版)など30冊以上。
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