「ネグレクトしてる」「出会い系アプリ中毒」全く身に覚えのない噂がママ友の間に広まっていた… 誰が? 何のために? 友達だと思っていた相手はフレネミーだった【書評】
公開日:2025/6/17

あなたの周りにも潜んでいるかもしれない…友達の顔をしたフレネミーが。表面上は友達として仲良くしながら裏では敵意を抱き、陰で悪口を言ったり、嫉妬心を煽ったりする人を「friend」と「enemy」を合わせた造語で、フレネミーという。親友だと思っていた相手はフレネミーだった!? 『親友はフレネミー そして夫の浮気相手』(あいか:原作、あやかみ:漫画/KADOKAWA)が描く泥沼劇。
夫の転勤で引っ越してきた美紀一家。慣れない土地での新生活は不安だったが、児童館で出会ったフレンドリーなアリサのおかげで環境にも慣れてきた。彼女とは何でも話せるママ友になったが、過干渉気味な言動に違和感を抱き距離を置くことに。他のママ友のよそよそしさもあり孤独だった美紀だが、新たなママ友・千夏と親しくなっていく。そんなある日、自分のよからぬ噂を聞いてしまった美紀は、夫の不倫疑惑も耳にすることに。友達の裏切り、夫の浮気、泥沼劇が始まる。
ネグレクト。出会い系アプリ中毒。全く身に覚えのない噂が幼稚園やママ友の間で広まっていることを知った美紀は愕然とする。いったい誰がそんな噂を広めたのか? 何のために? じわじわと起こる異変に、誰かの悪意を感じざるを得ない。そこに降ってわいた夫の不倫疑惑により、疑心暗鬼になる美紀だが「フレネミー」という言葉を知る。
友達のふりをした敵とは? 普通に仲良くしていたし、恨まれたり嫌われたりした覚えもないのになぜ? こちらは何もしていなくとも、幸せそうな人、自分より下に見ている相手など、フレネミーの標的は様々。美紀を狙うフレネミーは、フランクな性格のアリサ? いつも気にかけてくれる千夏?
読み進めるほどにママ友はフレネミーだらけに思えてくる。そんなフレネミーの怖さを体感できるのが本作の魅力だ。果たしてフレネミーは誰なのか。そして夫の浮気相手は……? この泥沼劇の結末を見届けてほしい。
文=ネゴト / Ato Hiromi