単身赴任中の夫が、なぜかベビー用品を爆買い。「赴任先には来ないで」と頑なに拒む夫の元へ、変装した妻が突撃する【書評】

マンガ

公開日:2025/6/19

 既婚男性の不倫。夫婦の関係が破綻することまで想像できず、なぜか「妻にはバレない」「何をしても許される」と過信している男性も多いと聞く。

妻が別れを告げる時』(きなりみや:漫画、古川あさこ:原案/KADOKAWA)は、自分を裏切った夫を成敗する、妻たちの爽快なオムニバスストーリーだ。

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 第1話の主人公・久美は保険会社の営業として働いている。彼女は結婚3年目でありながらひとり暮らし。夫の湊が1年前から単身赴任しているためだ。

 離れ離れの生活に寂しさを感じつつも、任期終了後のふたりの生活を楽しみに頑張っていた久美。しかし夫から電話で「単身赴任の延長」を告げられる。しかも、電話口の夫はなぜか焦った様子で…。

 さらに偶然出会った夫の同僚から、「湊自身が転勤を希望していた」「抱っこ紐や哺乳瓶を購入している」という衝撃の事実を知らされることに。問いただしても言い訳ばかりの夫に不信感を抱いた久美は、変装して単身赴任先を訪れる。そこで、予想もしなかった光景を目の当たりにするのだった。

 本作の湊のように、結婚して夫婦になると妻をないがしろにする男性は一定数存在する。身内だから甘えても良いという気持ちがエスカレートしていくのかもしれない。だが、どんなことがあっても許されると思い込むのは大きな間違いだ。妻を見くびれば、痛い目にあうことになるだろう。

 本作に登場する夫たちの、妻へ対する仕打ちはひどいものだ。だが妻側も負けてはいない。彼女たちは夫の急所を突く復讐を準備している。悪魔のような夫たちに見事な仕返しをする彼女たちの姿に、思わず拍手をおくりたくなる。スカッとする復讐劇を読みたい方に、ぜひおすすめしたい作品だ。

文=ネゴト / くるみ

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