容疑者は4人のママ友。夫と浮気し嘘をついているのは誰? あなたは泥沼不倫ミステリーの真犯人を暴くことができるか【書評】

マンガ

公開日:2025/6/30

 ミステリー、サスペンスのジャンルと聞くと、血生臭い事件の謎を解決していく作品をイメージするが、もちろん血の流れない物語もある。だがやはり共通するのは、ちりばめられたヒントをもとに「謎解き」と「犯人探し」を楽しむことだ。

 何かを壊したり汚したり、あるいは盗ったりしたのは誰か。『ママ友4人の誰かが夫と不倫している』(ぱん田ぱん太/KADOKAWA)は、タイトルにある不倫要素以上に、夫と不貞を働いた犯人探しの推理要素を含む作品である。

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 物語の主役となる赤松家の妻・なつめには、4人の仲良しママ友がいる。時には家族ぐるみの付き合いもある5家族だが、ある日なつめのもとに、夫の一吾から不倫を示唆するメッセージが届く。

 不倫の当事者である夫がそんな内容のメッセージを送るわけがない。加えてそのメッセージは、なつめに送信された後に履歴から削除されていた。当時の状況から考えて、不倫相手の容疑者となるのは仲の良いママ友4人全員。はたしてなつめは、不倫の犯人をこの中から突き止められるのか。

 なつめと夫の行く先が気になることに加え、彼女と仲の良いママ友のうち、誰が嘘をついているのかという謎解き要素がある点が気になって読み進めてしまうポイント。加えて、なつめをはじめとした個性的な登場人物たちは全員わかりやすいキャッチーなキャラクターなので、複雑そうな内容に思えるが、ミステリージャンルが得意ではない人でも比較的スイスイと最後まで読み進められるのも魅力だ。

 容疑者全員が怪しい本作だが、カンの良い人ならばママ友それぞれの証言や素直で嘘のつけない子どもたちの言葉から、途中で真犯人を特定できるかもしれない。そしてその推理は正しかったのか、最後まで読んで確かめてみよう。不貞を働く犯人のアリバイ崩しに挑戦!

文=ネゴト/ 曽我美なつめ

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