子育ての重責から逃げるパパと「月1の愚痴タイム」。子育て夫婦がベストに辿り着くまでの道のりに共感【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/7/3

 漫画家・あさのゆきこさんのブログで2022年から連載され、今年になってから書籍化されるなど、育児中のママを中心に評判を呼んでいる『これって虐待ですか 自己肯定感が低くて怒りを止められなかった私が息子と一緒に笑えるようになるまで』(あさのゆきこ/KADOKAWA)。

「私ってポンコツな母親だ…」と思うからこそ完璧を目指し、自分に自信が持てないまま、初めての子育てに苦戦する主人公のみずき。うまくいかない毎日にイライラして子どもに怒りをぶつける場面では、思わず目を覆うような描写も…。その一方で、あることをきっかけに子どもと向き合い、穏やかな毎日を取り戻そうとする姿に勇気をもらえます。創作漫画でありながら、自身も似たような経験をしたというあさのさんに、子育てのリアルな悩みについて聞きました。

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――主人公の夫は、家族を気遣うことに疲れて家に帰らなくなってしまいますね。そんなパパについてどう思いますか?

あさのゆきこさん(以下、あさの):うちはむしろ子どもの面倒を見ていたい夫なので、作中のパパについては創作の部分が大きいです。でも、責任感に駆られて、仕事だと偽って家に帰らなくなるパパの気持ちもわかります。仕事が大変なのはしょうがない。でも、2人の子どもだから。子育てに直接関われないとしても、相談に乗ってくれるとか、それだけでも家族は楽になるんじゃないかと思います。

――主人公は、夫との「月1の愚痴タイム」ができてから、穏やかに過ごしているようでした。「愚痴タイム」はあさのさんも実施されているんですか?

あさの:私も夫に、定期的に愚痴を聞いてもらっています。私が一方的に言うので鬱陶しがられることもありますが(笑)。日程を決めているわけではありませんが、1カ月くらいすると不満が溜まり、爆発してしまって。ただ、それを始めたのは、子どもが生まれてしばらく経ってから。生まれたばかりの頃は、どうやったら夫婦で穏やかに子育てをしていけるのかわかっていなかったし、愚痴タイムみたいなルーティンもできていませんでした。

――夫婦の関係もまた、子どもの成長とともに洗練されていくんですね。子どもがある程度大きくなった時の主人公は「これから家族と楽しく生きたい」とスッキリした表情で話しています。あさのさんにとって家族はどんな存在ですか?

あさの:癒やしになる時もあれば、悩みのタネになる時もあって。私の中でかなり大きな存在です。今は子どもが小学生になり、また新たな問題も出てきていますが、幼児期のモヤモヤはもう落ち着いて、穏やかに過ごせています。

取材・文=吉田あき

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