人間は“キショい縦長生物”。軽快なテンポと絶妙なワードチョイスで繰り広げる、メジロとヤモリのしゃべくり漫才がクセになる!【漫画家インタビュー】
公開日:2025/7/4

最新の書籍や人気の漫画作品の情報を発信する「ダ・ヴィンチWeb」。今SNSを中心に話題を集めているホットな漫画を、作者へのインタビューを交えて紹介する。
可愛い絵柄とちょっぴりシュールな絵柄がクセになる『めじとやも』をピックアップ。ヤモリとメジロの間で、関西弁で軽妙なおしゃべりが繰り広げられる本作。X(旧Twitter)を中心に話題となり、多くのファンに愛されている。
作者・しけたいぬ(@sikesikeinu)さんへのインタビューを通じて、キャラクターたちが生まれたきっかけや創作のこだわりを聞いた。
田舎に暮らすメジロの「めじ」とヤモリの「やも」。小さな2匹は、絶妙なワードチョイスと軽快なテンポで、今日もこの世界の不思議について語り合う。
ほのぼのとした空気感と、そこに潜む自然の厳しさ。愛らしさとシュールさが絶妙に同居した、小さな2匹の視点だからこそ見える世界が描かれている。
”しゃべくり系”作品を楽しみながら、生物保護について考えたい
ーー『めじとやも』を創作したきっかけや理由を教えてください。
ふたりの人間によるしゃべくり漫談系の漫画を商業連載する予定で進めていたところ、しゃべくり系が今ウケるのか確認したくなりました。そこで、近しいフォーマットに興味のある題材(動物)を落とし込み、SNSに適したラフなキャラデザで投稿してみたのがきっかけです。
人間の漫談漫画も近々連載開始いたしますので、メジとヤモのノリがお好きな方はぜひぜひ追っていただきたいです!
ーー本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはどこですか?
セリフ回しです。フキダシの位置やフォント、言葉の微妙なニュアンス等ばかり気にして直しています。絵はちっとも直さないくせに。
ーー特に気に入っているお話を教えてください。
1話目です。読者にキャラクターを可愛がってもらうことがメインの回なので、むりくり特定の話題がねじ込まれることもなく、読みやすい会話になっている気がします。

ーーメインキャラクターを関西弁のメジロとヤモリにしたのはどうしてですか。
私が西寄りの方言なので、標準語よりもテンポを掴みやすいという理由です。
ーーメジとヤモのテンポ良いトークや絶妙なワードチョイスに、つい引きこまれてしまいます。漫才の”べしゃり”のような会話を作れる秘訣を教えてください。
これは本当にわからなくて……私自身トークにキレがあるタイプではないですし、漫才も「M-1を見る年がある」くらいの浅さなので、担当さんも驚いたと思います。
しいて言うと、小説や漫画を読んでいてフックのある言葉のチョイスを見つけると嬉しすぎてのけぞりながら笑っているので、言葉遊びがめちゃくちゃ好きなんだと思います。
ーー本作を通じて描きたいこと、伝えたいことはありますか。
在来種の保護、飼い猫の室内飼育、の2点をふんわり匂わせていきたいです。
動物関連の問題は猫に限定しても広く大きく、関わっている方々もシビアでなければいけない状況ですが、ひとつくらい笑って読める入門編のような書籍があってもよかろうということで、間口の広い保護猫漫画にしていけたらいいなと思います。
ーー会話や描写から、動物愛が伝わってきます。今後描きたい動物やテーマはありますか。
まずは、本作品内で犬を登場させたいです!
ーー今後の展望や目標をお教えください。
たくさん売れてほしいです。広く読まれてこそ真価を発揮する、間口の広い保護系漫画なので……!
ーー作品を楽しみにしている読者の方々へメッセージをお願いします。
いつもお読みいただきありがとうございます。今後も愉快なメジとヤモを描けるように頑張ります。
そのうち連載開始予定の、人間による漫談漫画もよろしくね!
取材・文=ネゴト / fumi