何に対しても消極的で自分から動こうとしない夫。結婚前は惹かれた「穏やか」な性格に違和感を覚えるようになった【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/7/14

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※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』(アゴ山:原案、鳥頭ゆば:漫画/KADOKAWA)は、「カサンドラ症候群」になったアゴ山さんが離婚するまでの苦悩をリアルに綴った漫画。カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群など発達障害の特性のあるパートナーと安定的な関係を築くことが難しく、重いストレスを抱えて心身に不調をきたしている状態のこと。

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 なんでも話せる夫婦でありたいと願う主人公のアコは、意見を聞いても考えず頷くばかりの夫ユーマとの関係に悩む。ところが、暴力もなく、散財もしない夫に対する悩みを誰からも理解されず、孤独感を抱え…。本人に悪気はないと分かっていても、心が通わない相手と一緒に暮らすことはつらさしかない。「カサンドラ」状態になった妻が夫と離婚するまでを描いた本作。原案者のアゴ山さんに、夫と暮らした当時の苦悩や離婚してからの心の変化などを聞いた。

――まだ付き合っている頃は、ユーマさんの「天然キャラで穏やかな性格」に惹かれていたそうですね。それが、結婚してから気になるように…。違和感を覚え始めたきっかけとは?

アゴ山さん(以下、アゴ山):結婚して一緒に暮らすようになったら、「何か変だなあ?」「男の人ってこういうものなのかな?」と思うことがだんだんと増えていきました。日常のすべてのことに対して消極的だし、自分から動こうとしない。その度に「おかしいな」と思っていました。

――夫が笑顔になるのを見たことが一度もない、というのも印象に残りました。

アゴ山:小さな喜怒哀楽はあって、好きなテレビを見たり、家で子どもと遊んだりしている時は笑っていました。ひそかにほくそ笑む程度ですが…。

――一緒にいる時間が長いと違和感を覚えそうですね。アスペルガーの人には、言葉でなく視覚的に伝えると理解しやすいそうですね。メールやメッセージのやり取りが多かったのでしょうか?

アゴ山:一般的な夫婦でもメールやLINEは多いと思いますが、ユーマの場合、一方的な手紙での伝達が多かったです。当時は“マメな人だなぁ”としか思っていませんでした。

取材・文=吉田あき

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