意見を聞いても頷くだけで、すべて受け身の夫。夫婦ふたりでいるのに、ひとりでいるような孤独を感じる【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/7/16

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※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』(アゴ山:原案、鳥頭ゆば:漫画/KADOKAWA)は、「カサンドラ症候群」になったアゴ山さんが離婚するまでの苦悩をリアルに綴った漫画。カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群など発達障害の特性のあるパートナーと安定的な関係を築くことが難しく、重いストレスを抱えて心身に不調をきたしている状態のこと。

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 なんでも話せる夫婦でありたいと願う主人公のアコは、意見を聞いても考えず頷くばかりの夫ユーマとの関係に悩む。ところが、暴力もなく、散財もしない夫に対する悩みを誰からも理解されず、孤独感を抱え…。本人に悪気はないと分かっていても、心が通わない相手と一緒に暮らすことはつらさしかない。「カサンドラ」状態になった妻が夫と離婚するまでを描いた本作。原案者のアゴ山さんに、夫と暮らした当時の苦悩や離婚してからの心の変化などを聞いた。

――ユーマさんは妻の気持ちを理解できず、意見を聞いても妻に合わせて頷くだけだったそうですね。そんな夫と暮らすつらさとは?

アゴ山さん(以下、アゴ山):とにかく孤独でした。ふたりでいるのにひとりでいるように感じる…。お互いの顔を見て笑い合うような他の夫婦を見ると、どうしても自分たちと比べてしまい、切なかったです。

――お子さんの発達障害について調べていくうちに、ユーマさんにも当てはまることが多く、アスペルガーかもしれないと思うようになったそうですね。

アゴ山:一緒に暮らしている時もそう思っていましたけど、離婚後にいろんなアスペルガーの話を聞いて、当てはまることが多すぎたので確信しました。受動的で、会話が成り立たないなど、あとで考えたら“あれはそうだったんだ…!”と思えるエピソードがたくさんありました。

――つらい毎日が続いて笑えなくなった頃、「カサンドラ症候群」という言葉を知ってすべてが腑に落ちたそうですが、その時はどんな気持ちでしたか?

アゴ山:本当に衝撃的で、大発見をしたような気持ちでした。当時は大人のアスペルガーで悩むという情報が今ほど多くはなかったので、発達障害で悩むのは子どものケースだけだと思い込んでいました。「まさか大人も…」「それも配偶者が…」という考えがなかったので、余計に驚きました。

取材・文=吉田あき

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