飲み会でも「会社員です」の一言。会社での話を聞いても、かたくなに何も話さない夫。“心が通わない”と感じる夫の無口さ【著者インタビュー】
公開日:2025/7/18

※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
『夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』(アゴ山:原案、鳥頭ゆば:漫画/KADOKAWA)は、「カサンドラ症候群」になったアゴ山さんが離婚するまでの苦悩をリアルに綴った漫画。カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群など発達障害の特性のあるパートナーと安定的な関係を築くことが難しく、重いストレスを抱えて心身に不調をきたしている状態のこと。
なんでも話せる夫婦でありたいと願う主人公のアコは、意見を聞いても考えず頷くばかりの夫ユーマとの関係に悩む。ところが、暴力もなく、散財もしない夫に対する悩みを誰からも理解されず、孤独感を抱え…。本人に悪気はないと分かっていても、心が通わない相手と一緒に暮らすことはつらさしかない。「カサンドラ」状態になった妻が夫と離婚するまでを描いた本作。原案者のアゴ山さんに、夫と暮らした当時の苦悩や離婚してからの心の変化などを聞いた。
――相手の気持ちを想像することが苦手というユーマさん。家庭以外での人間関係も気になるところですが、仕事上のトラブルはなかったのでしょうか?
アゴ山さん(以下、アゴ山):会社や同僚、上司の話をこちらから聞くこともありましたが、微塵も話してくれませんでした。会社から課せられていた守秘義務をかたくなに守っていたのかもしれません。会社内で浮いているのか、仕事はしっかりできているのか、まったく知ることができませんでした。
――友人夫婦や、主人公のお母さんと会っても一言も喋らない。飲み会でも「会社員です」の一言だけ… という困った状況も描かれていました。そんなユーマさんにも、結婚する前はゴルフやスノボに毎年行くような友人がいたそうですね。
アゴ山:大学時代からの友人らしいです。その友人はとても明るくておしゃべりで、ユーマと遊んでいる時もひたすら喋っているような人でした。そういう人だからこそ、仲が良かったのかもしれません。でもそんな友人も、結婚してから遠方になったこともあり、数回会ったくらいでだんだん疎遠になっていったようでした。
取材・文=吉田あき