「一生不幸な気持ちのままで過ごしたくない」“夫と心が通わない”と感じた妻が離婚を決断した理由【著者インタビュー】
公開日:2025/7/22

※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
『夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』(アゴ山:原案、鳥頭ゆば:漫画/KADOKAWA)は、「カサンドラ症候群」になったアゴ山さんが離婚するまでの苦悩をリアルに綴った漫画。カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群など発達障害の特性のあるパートナーと安定的な関係を築くことが難しく、重いストレスを抱えて心身に不調をきたしている状態のこと。
なんでも話せる夫婦でありたいと願う主人公のアコは、意見を聞いても考えず頷くばかりの夫ユーマとの関係に悩む。ところが、暴力もなく、散財もしない夫に対する悩みを誰からも理解されず、孤独感を抱え…。本人に悪気はないと分かっていても、心が通わない相手と一緒に暮らすことはつらさしかない。「カサンドラ」状態になった妻が夫と離婚するまでを描いた本作。原案者のアゴ山さんに、夫と暮らした当時の苦悩や離婚してからの心の変化などを聞いた。
――小さい頃のしずくちゃんは他の子と比べて癇癪が多かったそうですね。ユーマさんにお願いしてもしずくちゃんが懐かず…というシーンも印象的でした。子どもとふれあう時のユーマさんはどんな感じでしたか?
アゴ山さん(以下、アゴ山):子どものお世話は、頼めばやってくれました。暴言や怒ることはしませんでした。子どもとは一緒に遊ぶというより、ただ見ているだけという印象です。「ユーマなりに可愛がっていたのかなあ?」とは思います。
――ユーマさんは毎日帰宅が遅いようでしたが、平日はほぼワンオペ育児だったのでしょうか。また、土日の子育てはどうでしたか?
アゴ山:平日はほぼワンオペでした。土日は、こちらからお願いすれば子どもの面倒やちょっとしたサポートをしてくれましたが、不器用すぎてとてもハラハラするので、結局ほぼ私がやっている状況でした。
――相談ごとをしてもあまり向き合ってもらえず、子育ての負担も大きく…。ユーマさんとの離婚を決意した時はどんな気持ちでしたか?
アゴ山:もう精神的にきつくて、“これ以上は一緒に暮らせない”と思ったのが大きいです。今後の長い未来を考えて、ユーマと一緒に居るビジョンがまったく見えない。一生不幸な気持ちのままで過ごしたくない。そう思い、決断しました。
取材・文=吉田あき