「消えてしまいたい」と無意識に自傷行為を行っていた… “夫と心が通わない”カサンドラ症候群のつらさ【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/7/30

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※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』(アゴ山:原案、鳥頭ゆば:漫画/KADOKAWA)は、「カサンドラ症候群」になったアゴ山さんが離婚するまでの苦悩をリアルに綴った漫画。カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群など発達障害の特性のあるパートナーと安定的な関係を築くことが難しく、重いストレスを抱えて心身に不調をきたしている状態のこと。

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 なんでも話せる夫婦でありたいと願う主人公のアコは、意見を聞いても考えず頷くばかりの夫ユーマとの関係に悩む。ところが、暴力もなく、散財もしない夫に対する悩みを誰からも理解されず、孤独感を抱え…。本人に悪気はないと分かっていても、心が通わない相手と一緒に暮らすことはつらさしかない。「カサンドラ」状態になった妻が夫と離婚するまでを描いた本作。原案者のアゴ山さんに、夫と暮らした当時の苦悩や離婚してからの心の変化などを聞いた。

――漫画では、心療内科の先生から「カサンドラ症候群」の説明を受けていましたね。実際、カサンドラ症候群とはどういうものですか?

アゴ山さん(以下、アゴ山):漫画の中でも専門家の先生(カサンドラ症候群専門カウンセラーの真行結子先生)にくわしく解説していただいていますが、カサンドラ症候群は正確な疾患名ではなく、「発達障害特性のあるパートナーと安定的な関係を築くことに困難を感じている人々が抱える重いストレスを原因とする、身体的・精神的症状のこと」を指します。

――アゴ山さんの場合はどんなつらさがありましたか?

アゴ山:私の場合は、精神面よりも肉体面のほうが先に病んでしまいました。不眠や腹痛などが多くなり、一時的にストレスからくる過敏性腸症候群と診断されました。ただ、当時は初めての育児をしていたこともあり、何が原因なのか分からず、その点もつらかったです。

――一時は首をタオルでぎゅっとすると落ちつく時があり、後になってそれが自傷行為だと分かったそうですが、その時はどんな気持ちでしたか?

アゴ山:無意識に自傷行為をしていると分かった時は、そんな自分にショックでした。もともと周囲から明るいと言われる性格だったので、まさか自分がそんなことをするタイプだとは思ってもいなかったです。ここまで自分は追い詰められていたのか…と自覚して、つらかったです。

取材・文=吉田あき

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