「あなたは何も悪くない」という言葉に救われた。カサンドラ症候群だと思ったら取るべき行動は?【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/8/1

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※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

夫と心が通わない カサンドラ症候群で笑えなくなった私が離婚するまでの話』(アゴ山:原案、鳥頭ゆば:漫画/KADOKAWA)は、「カサンドラ症候群」になったアゴ山さんが離婚するまでの苦悩をリアルに綴った漫画。カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群など発達障害の特性のあるパートナーと安定的な関係を築くことが難しく、重いストレスを抱えて心身に不調をきたしている状態のこと。

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 なんでも話せる夫婦でありたいと願う主人公のアコは、意見を聞いても考えず頷くばかりの夫ユーマとの関係に悩む。ところが、暴力もなく、散財もしない夫に対する悩みを誰からも理解されず、孤独感を抱え…。本人に悪気はないと分かっていても、心が通わない相手と一緒に暮らすことはつらさしかない。「カサンドラ」状態になった妻が夫と離婚するまでを描いた本作。原案者のアゴ山さんに、夫と暮らした当時の苦悩や離婚してからの心の変化などを聞いた。

――以前は不眠や腹痛、自傷行為もあったようですが、今はどうですか?

アゴ山さん(以下、アゴ山):離婚後は一切なしです(笑)! 今は毎日が楽しく、育児は大変ではありますが、不眠もなくなり、「消えたい」と思うことなんかは一切ありません。

――カサンドラ症候群で悩んでいる頃、SNSで相談したら、みんなが共感してくれたそうですね。どんな言葉に勇気づけられましたか?

アゴ山:それまでは自分が間違っていると思い、自己嫌悪に陥っていたので、「そんなふうに考えるあなたは何も悪くない」という言葉にとても救われました。「自分はひとりではない」と思って安心できたし、それが心の支えになりました。

――カサンドラ症候群で苦しんでいる人に、どんな行動を取るのがいいのかアドバイスをいただけませんか?

アゴ山:可能なら、地域の発達障害者支援センターや、発達障害やカサンドラ症候群を扱う精神科・心療内科などの専門機関に相談するのがいいと思います。ただ、苦しんでいる最中はそれが難しい時もあるので、とにかく誰かに胸の内を打ち明けることをおすすめします。

 とにもかくにも、“あなたのように苦しんでいる人はひとりではない”、そのことを大事にしてほしいと祈っています。この漫画には専門カウンセラーの先生との対談も入っていますし、一体験談として参考にしていただき、少しでも助けになれたら嬉しいです。

取材・文=吉田あき

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