偉い人が出てくると大人しくなる…老害あるあるなエピソードも漫画化【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/7/21

 周囲の視線を気にせず怒鳴り散らす、こちらの話を聞かずに古い価値観を押し付ける……。いわゆる“老害”に自分の親がなってしまったら? 自分を育ててくれた大切な両親だったはずなのに、二人の行動を恥ずかしく感じてしまう。しかしこれまでの恩があるから見捨てることもできない。そんな葛藤を感じ、さらには里帰り出産に帰省した娘と両親の板挟みに苦しむ栄子(54歳)の姿を描いたのが『わたしの親が老害なんて』(西野みや子/KADOKAWA)。彼女の気持ちには年老いた親を持つ方なら多かれ少なかれ共感する部分があるのではないでしょうか。セミフィクションである本作を著者である西野みや子さんはどう描いていったのか? 自身の経験を含めお話を伺いました。

――お父さんが寿司店さんで騒いで、警備員が駆け付けたエピソードも印象的でした。どんなシーンにしようと思って描いたのですか?

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西野みや子(以下、西野):最初は病院の待合室での出来事を描こうと思っていました。私の祖父母もそうなんですが、高齢の方って、お医者さんとか教員とか「先生」と呼ばれる社会的に尊敬される立場の人の話はちゃんと聞くんですよね。舞台が変わって警備員が登場という展開にしましたが、ここではお父さんに注意ができて、怒りを鎮めてもらえる存在が必要でした。

――そこから寿司店さんでのお話に決着したのはなぜですか?

西野:「人はどんな時にイライラするのか?」って考えた時に、やっぱりお腹が空いている時かなと(笑)。そこで私自身、商業施設で働いていた時に、店員の言うことは聞かなくても警備員さんを呼んだら解決した、ということが度々あったので、その経験も交えて描きました。

――この作品に限らず漫画が描けたら担当編集者さん以外に見て意見をもらったりする人はいらっしゃるんですか?

西野:普段は夫に見てもらっています。ただ「字が間違ってるよ」とか「まあ面白かったんじゃない」くらいでしたね(笑)。実用というか、知識を得る系の漫画の時は内容にも言及があったのですが、感情を表現するのが苦手なので、コメントしづらかったのかもしれません。でもすごくトンチンカンな意見を言われるよりはよかったかもしれませんね(笑)。

取材・文=原智香

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