12月に劇場版アニメ公開決定! 太平洋戦争で最も過酷な戦闘を描いた『ペリリュー』のスピンオフが、終戦80年の節目に堂々完結
公開日:2025/7/29

昭和22年5月、日本兵が去ったペリリュー島で島田は戦いの日々を自らに問う――。2025年7月29日(火)、『ペリリュー ―外伝―』のコミックス最新4巻が発売。本編と合わせて10年以上にわたって描かれた“戦争の時代と今を繋ぐ命の物語”が、終戦から80年の節目を迎えるタイミングで完結する。
『ペリリュー ―外伝―』は、2016年から2021年にかけて「ヤングアニマル」で連載された『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』のスピンオフ作品。本編は太平洋戦争末期の1944年に巻き起こった“ペリリューの戦い”の史実を参考にしたフィクション漫画で、漫画家志望の主人公・田丸均一等兵の視点から日米の地上戦が描かれていった。

舞台となるペリリュー島は、パラオ諸島の南西部に位置する島でサンゴ礁の海と豊かな森に包まれた“楽園”だった地。しかし、米軍と日本軍による戦いが始まり、一転して地獄の戦場へと姿を変える。東洋一と謳われた飛行場奪取を目的に襲い掛かる米軍の精鋭4万に対し、迎え撃つは“徹底持久”を命じられた日本軍守備隊1万。祖国から遠く離れた小さな島で彼らは何のために戦い、何を思い生きたのか――。
“ペリリューの戦い”は太平洋戦争の中でも特に過酷な戦闘の一つとして知られている。日本軍は補給を絶たれながらも洞窟陣地から72日にわたる持久戦を強いられ、史実では捕虜や34名の生還者を除いてほぼ全滅したという記録が。
そんな戦場の現実に直面していく田丸を始めとした登場人物たちを、三頭身のデフォルメで描いている同作。一見すると可愛らしく思えるキャラクターたちに襲いかかる戦死や餓死といった死の恐怖、その対比が大きな特徴となっている。
スピンオフである『ペリリュー ―外伝―』は、本編で描ききれなかったエピソードが補完されていく。例えば田丸や友人たち、さらに米兵や島民たちの物語など、より多様な視点から改めて“戦争”について問いかけている。
完結巻となるコミックス最新4巻で描かれるエピソードは、日本兵が去ったペリリュー島で島田洋平少尉が戦いの日々を自らに問う「どうして」、田丸の息子・耕助の七回忌で、残された家族がままならない感情を分かち合う「なんだか僕は怒っている」、田丸夫妻の過ごしてきた時間を穏やかに振り返る「田丸と光子2」、徴兵検査に合格して故郷を離れることになった吉敷佳助上等兵が母と妹と交わした約束の記録「出征」の4本。

さらに、10年前の戦後70周年当時に発表された本作のプロトタイプ読切「ペリリュー 玉砕のあと」も収録される。
ちなみに2025年12月5日(金)には、『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』の劇場版アニメが公開予定。公開前の予習やおさらいの意味でも、本編と『ペリリュー ―外伝―』を併せてチェックしてみてはいかがだろうか?