2025年4月に話題になった本は? 人気児童書シリーズの新刊が登場、本屋大賞受賞作もランクイン【なんでもランキング】

ダ・ヴィンチ 今月号のコンテンツから

公開日:2025/7/17

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年7月号からの転載です。

『大ピンチずかん』、強し!4月10日発売の第3作はたちまち総合1位に。第1作は16位に、第2作も20位にランクインしている。このシリーズはカバーの絵が示すように、牛乳をこぼしてしまったりケチャップが飛び出してしまったりという「大ピンチ」を題材にしたユーモラスな絵本。第3作ではピンチのレベルを示す「うっかりメーター」も登場して、ピンチを乗り越えるノウハウも提供する。児童書ではあるが、大人が読んでも笑って楽しめるところが大ヒットの理由か。

 総合3位には本屋大賞1位となった阿部暁子『カフネ』が登場。家事代行サービスと手料理が癒やし、つなぐ。弱った人、傷ついた人の心と体にじんわり染みてくる長編小説だ。「カフネ」とは、ポルトガル語で愛する人の髪に指を通す仕草をいう。

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 総合9位の『名探偵コナン 隻眼の残像』は4月18日公開の劇場版アニメ映画のノベライズ版。「名探偵コナン」の劇場版はもう28作にもなるのですね。全国週末興行収入ランキングでもトップ(5月12日時点)。コナンはコミックランキングでも大活躍していて『名探偵コナン』(107)の通常版は1位に、特装版は7位にランクインしている。

 コミックの注目は児島青『本なら売るほど』(2)。小さな古書店を舞台にした短編連作だが、書物の世界がいかに深いかを実感。書店に関心が集まる今だからこそ読みたい。
文庫では10位に村上春樹『街とその不確かな壁』(上)。幻の中編「街と、その不確かな壁」、そして長編『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』との関係も注目される。

文=永江 朗

読者が選ぶ 今月読んで面白かったおすすめ本

一般

★1位『アルプス席の母
○高校野球とその球児を母親の視点から描くという今までとは違った角度が新鮮で、しかもその関係性に所々で涙腺を刺激され、あっという間に読了しました。子どもを持つ親の身としては、立場は違えど切実な思いに共感の嵐でした。(45・男)
○球児の母という視点が新鮮で良かった。(28・女)

『アルプス席の母』
『アルプス席の母』(早見和真/小学館)1870円(税込)

★2位『リペアラー

『リペアラー』
『リペアラー』(大沢在昌/KADOKAWA)2310円(税込)

★3位『高宮麻綾の引継書

『高宮麻綾の引継書』
『高宮麻綾の引継書』(城戸川りょう/文藝春秋)1760円(税込)

文庫

★1位『くますけと一緒に 新装版
○私もぬいぐるみ好きです。もっとほかの作品も再評価されてほしい。(55・男)
○Xでたくさんの人が読了ポストをしているのを見て、手に取った作品でした。(中略)個人的には主人公の少女の成長を最終的に感じる展開に、読み応えがありました。(45・男)

『くますけと一緒に 新装版』
『くますけと一緒に 新装版』(新井素子/中公文庫)968円(税込)

★2位『一次元の挿し木

『一次元の挿し木』
『一次元の挿し木』(松下龍之介/宝島社文庫)900円 (税込)

★3位『あの子とQ

『あの子とQ』
『あの子とQ』(万城目学/新潮文庫)880円(税込)

コミック

★1位『本なら売るほど』(2)
○今回もいろいろな客が訪れ、新刊書店では出会わない、気になる本が登場する。(39・男)
○本好きなら刺さらずにはいられないエピソードの数々。(46・女)

『本なら売るほど』(2)
『本なら売るほど』(2)(児島 青/KADOKAWAハルタC)836円(税込)

★2位『薬屋のひとりごと』(15)

『薬屋のひとりごと』(15)
『薬屋のひとりごと』(15)(日向夏:原作、ねこクラゲ:作画、七緒一綺:構成、しのとうこ:キャラクター原案/スクウェア・エニックスビッグガンガンC)770円(税込)

★3位『天幕のジャードゥーガル』(5)

『天幕のジャードゥーガル』(5)
『天幕のジャードゥーガル』(5)(トマトスープ/秋田書店ボニータC)792円(税込)

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