「射精って、痛いの?」という子どもからの質問。教育として性を学ぶことの大切さ【著者対談】
公開日:2025/7/22

大人の学び直しができる“児童書”が話題です。“子どもが自分で読める性教育の本がほしい!”というたくさんの声から生まれた『こどもせいきょういくはじめます おうち性教育はじめますシリーズ』(フクチマミ、村瀬幸浩、北山ひと美/KADOKAWA)の著者・フクチマミさんと、“いのち”を脅かす日常のピンチを切り抜けるための知識をまとめた『いのちをまもる図鑑 最強のピンチ脱出マニュアル』(滝乃 みわこ:著、池上 彰・今泉 忠明・国崎 信江・ 西 竜一 :監修/ダイヤモンド社)の著者・滝乃みわこさん。ふたりに共通するのは“ふつうの大人”であること。専門家からの目線ではなく、“ふつうの大人”の素朴な目線から専門家に取材し、自身も学び直しながら、児童書を書き上げたといいます。
制作中、お互いの著書にたくさんのヒントと勇気をもらっていたというふたり。今回は滝乃さんがフクチさんにインタビューする形で、累計35万部超の人気シリーズ最新作『こどもせいきょういくはじめます』について語っていただきました。“大人の学びなおし”にもなる視点が詰まっています。

滝乃みわこさん(以下、滝乃):本書の制作過程で、大人にとっては「あたりまえ」だけど、子どもにとってはそうではないのだと気がついたことってありますか?
フクチマミさん(以下、フクチ):性教育の授業の取材中に、ある男の子が「射精って、痛いの?」と言ったことです。月経が痛いと習っていたから、射精も痛いのかと思ったと。
滝乃:そうかー…。逆に、射精が気持ちいいから、生理も気持ちいいと、未だに思い違いをしている大人の男性の話を耳にしたことがあります。
フクチ:本書でも二次性徴(大人になるときのからだの変化)で起こる見た目の変化を描いているのですが、それを見たある男性が「女性の手足にも毛が生えるんだ、って改めてちょっと驚きました」とおっしゃって。そういえば、私が小学校高学年で性教育を受けたとき、女子だけが集められて生理のことを学んだけれど、男子の射精やからだについて学んだ記憶があまりないんですよね。そのとき男子はドッジボールをしていました。

滝乃:私のときも同じです。
フクチ:教育として学ぶ機会が充分になく、アダルトコンテンツなどで異性のからだについて知ったから、性教育に出会うまでずっと思い違いをしていたこともたくさんあったと思います。
取材・文=瀬戸珠恵