風間俊介×庄司浩平 ドラマ『40までにしたい10のこと』対談インタビュー

ダ・ヴィンチ 今月号のコンテンツから

公開日:2025/10/9

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年8月号からの転載です。

居心地のいい場所を求める男性二人の純粋な恋物語

 累計発行部数75万部を超えるBLコミック『40までにしたい10のこと』がドラマ化。本作に出演中の風間俊介さんと庄司浩平さんは、ともに「純愛作品としての魅力が詰まっている」と語る。

風間俊介さん(以下、風間):原作を読んだ時、最初に人を好きになることの尊さが描かれていると感じ、BLであることは要素の一つにすぎないという印象を受けたんです。

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庄司浩平さん(以下、庄司):同性愛者の雀と慶司は自分たちがマイノリティだと理解しつつ、ただ、自分たちのこと以上に、周囲に気を遣わせたくないと思っている。その優しさが素敵だなと感じました。

風間:それに、二人の関係性って恋人のようで、時には親友同士にも見えるのがいいよね。

庄司:わかります。男女間にだって親友の関係性ってあるはずだし、二人にとって居心地のいい場所が同性だったというだけなんですよね。性別を超えた恋愛作品が今多く支持されるのも、そういった理由だと思います。

 新たな恋愛を諦めかけたアラフォーの雀と、その雀に淡い想いを抱く、部下でアラサーの慶司。二人のピュアな恋愛模様が観る者の心を優しくくすぐる。

風間:雀さんはすごくかわいいんです(笑)。でもそれは、彼が自分の好きなものに実直だからこそ滲み出るかわいさで。慶司に向ける表情も、心から彼を愛おしく思っているゆえに自然と笑顔が輝くように演じました。

庄司:慶司もクールなようで、実際は仲間思いだし、決して孤高ではないんです。それに、彼のかっこよさは誠実さからくるものなので、そこを感じてもらえるように意識したのですが……いかがでした?

風間:最高にかっこよかった!

庄司:今の言葉は太字で(笑)。

 気づけばあと3カ月で40歳になる雀は誕生日までにやり遂げたいことをリスト化する。その内容を慶司に見られたことで、二人の距離は上司と部下の垣根を超えて急接近するのだが……。

風間:年齢を重ねると気後れすることが増えていくというのもリアルですよね(笑)。ただ、雀のリストの内容は一人では恥ずかしくて実行しづらいことばかり。つまり、一緒にやってくれる誰かを求めていたと思うんです。

庄司:そこに現れたのが慶司で。二人が次に何をクリアしていくのかという物語の楽しみ方もありますし、達成するたびに深まっていく二人の距離間にも期待していただければと思います。

取材・文=倉田モトキ、写真=山田大輔

かざま・しゅんすけ●1983年、東京都生まれ。近年の出演作に、ドラマ『それでも俺は、妻としたい』『初恋、ざらり』、舞台『フロイス-その死、書き残さず-』『モンスター』など。現在、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』、ドラマ『明日はもっと、いい日になる』に出演中。その他、『ZIP!』月曜パーソナリティ、NHKハートネット『フクチッチ』MCを務める。今年9月に映画『ふつうの子ども』が公開予定。

しょうじ・こうへい●1999年、東京都生まれ。2020年、ドラマ『魔進戦隊キラメイジャー』で役者デビュー。22年にはモデルとしてパリコレクションデビューも果たす。主な出演作にドラマ『君とゆきて咲く〜新選組青春録〜』『科捜研の女season24』第8話ゲストなど。現在、『仮面ライダーガヴ』『NHK俳句』にレギュラー出演中。

©マミタ・libre/「40までにしたい10のこと」製作委員会
©マミタ・libre/「40までにしたい10のこと」製作委員会

ドラマ『40までにしたい10のこと』

原作:マミタ『40までにしたい10のこと』(月刊マガジンビーボーイ連載/リブレ刊) 
脚本:齊藤よう 
監督:池田千尋、小菅規照 
出演:風間俊介、庄司浩平、平井亜門、高山璃子、ワタナベケイスケ/三石琴乃(声)、平子祐希(アルコ&ピース)ほか 
毎週金曜深夜24時12分〜テレ東系にて放送中

BLアワード2024総合コミック部門で1位に輝くなど、大きな注目を集めている『40までにしたい10のこと』がドラマ化。部下からの信頼は厚いものの、プライベートでは10年以上も恋人なしの生活を送っている十条雀。会社と自宅を往復するだけの毎日が続くなか、雀は次の誕生日で40歳になることに気づく。そんなある日、何気なく書き留めた〈40までにしたい10のこと〉のリストを10歳下の部下・慶司に見られてしまう。恥ずかしさに焦る雀だったが、慶司の口から出た言葉は「俺と一緒にやりませんか?」という思いがけない提案だった。さらには、以前から同じ同性愛者だと気づき、密かに想いを寄せていた慶司はその日を境に急接近。最初は戸惑いを見せる雀だったが、やがて生活の変化に少しずつ楽しさと喜びを感じるようになっていく。

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