「観測史上最も暑い」春や夏がほぼ毎年! 今の日本は異常気象満載の「二季」の国?/異常気象の未来予測

スポーツ・科学

公開日:2025/7/25

※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)
※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

異常気象の未来予測』(立花義裕/ポプラ社)第1回【全5回】

 毎年のように猛暑、豪雨、豪雪が日本を襲い、異常気象が「普通」の時代に突入。日本には四季がなくなり、夏と冬の「二季の国」となったと感じている方は多いのではないだろうか。その一因となっているのは二酸化炭素の増加による地球温暖化。このまま二酸化炭素を増やし続ければ、さらに厳しい気候が来ると予想されている。最高気温が40度を超える世界でどう生きるか。異常気象の現状と未来予測、温暖化対策についてをあらゆる角度から解説した書籍『異常気象の未来予測』の一部をお届けします。

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『異常気象の未来予測』
『異常気象の未来予測』(立花義裕/ポプラ社)

日本は四季の国から「二季」の国へ

 いまや日本には四季がなくなり、長い夏と冬だけの「二季」となってきています。日本に住む多くの人が、二季化という気候の変化を感じていることでしょう。

 日本は四季の変化が鮮明で、その移ろいを愛でる文化が1000年以上も根付いていますが、今では四季を自慢できなくなってきています。激しい異常気象が満載の「二季」の国が現在の日本なのです。

 異常気象の発生がニューノーマル化し、気候が暴れ始めた今の時代の「四季」の移ろいを概観してみましょう。

 近年は「観測史上最も暑い」春や夏がほぼ毎年繰り返されています。

 例えば、2024年の日本は平均気温が史上最高気温の記録をあっさり破り、春、夏、秋と三季で、「統計開始以降の最高記録」を更新し続けました。11月ですら各地で夏日が多くあらわれたのは、記憶に新しいところでしょう。

 桜が散ったと思ったらすぐに暑くなり、梅雨入り前から30度を超える地域が多発。ようやく梅雨が明ける頃には同時に猛暑が襲ってきます。40度超えも大ニュースとはならなくなり、夜になっても暑いまま。涼しい夜に花火を楽しむような時代ではなくなりました。花火大会の最中に熱中症で搬送されるニュースも珍しくありません。

 9月になっても10月になっても暑い日は続きます。残暑を感じながら、すぎゆく夏を惜しむ人は皆無です。

 10月には恒例行事の小・中学校などの運動会があります。その練習時期は「真夏」の9月。近年は春に運動会を開催する学校も増えていますが、練習中の子供たちの熱中症が懸念されます。

 夏の屋外での仕事も危険が伴います。日本では熱中症で毎年1000人規模の人が命を失っています。この数は風水害による死亡者の約10倍。夏の気温が高い年ほど熱中症死亡者の数は増えているのです。そして隠れ熱中症の死亡者は、その数倍にも及びます。基礎疾患を持つ人や高齢者ほど、命の危機にさらされているのです。

 これはコロナが誘因の死亡者と類似しています。そのため、猛暑は「災害」と言い切っていいでしょう。もはや「殺人的猛暑」と言っても過言ではないのです。

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