第26回「僕と君の大切な話」/鈴原希実のネガティブな性格がちょっとだけ明るくなる本

マンガ

公開日:2025/7/23

みなさんは誰かと話をするのは好きですか?

そして、今までの誰かとの会話で印象に残っていることはあるでしょうか?

と、早速質問を投げかけさせていただいたのですが、皆さんいかがでしょう。

私の場合は、正直言ってあまり得意な方ではないかもしれません。

でも、皆さんとお渡し会でお話をしたり、メンバーと他愛も無いお話をするのは凄く好きだったりします。

そして印象に残っている会話は、祖母にオーディションを受ける前に「本当に覚悟はあるのか?」と問われて強く頷いた時のこと。

家族に初めて「オーディションを受けたい」と、「本気なんだ」と伝えた時のやりとりです。

思い返すと強く印象に残っている会話は、家族と本気で向き合って話した時だったり、自分自身のターニングポイントになっているものが多いなと感じます。

みなさんの場合はどうでしたか?

でもこうして考えてみると、人との対話って本当に興味深いなと感じるのです。

誰かと話してみて初めて「あ、その考え方もあるのか。」と気付けたり。

自分では絶対にない発想のものがたくさん出てきたりしますよね。

普段自分の頭の中でぐるぐると考えがちな私は、家族やメンバーと話す度に新しい視点や発見に目から鱗が落ちるのです。

その度に会話って面白いなぁとしみじみ感じております。

今日はそんな「会話」にまつわる作品を一つご紹介したいと思います。

タイトルは『僕と君の大切な話』です。

あらすじは、同じ学年の東くんに片思い中の相沢さん。ある日、東くんに思いを伝えるべく、学校の最寄り駅で思い切って告白! だけど、返ってきた言葉はあまりに予想外で…! というところから始まる新感覚のトーキングラブコメディーとなっております。

この作品は、タイトルから一見真面目なお話なのかな?と思われるかもしれませんが、あらすじの通りかなりコメディー要素が強めです。

そして少女漫画ではありますが、皆さんが想像するほど少女漫画感は多くなくて、初めて少女漫画を読まれる方も読みやすいテイストになっていると思います。

私はこの作品の作者さんであるろびこ先生の作品がとにかく大好きで、この「僕と君の大切な話」も第1巻が発売した当初からずっと追いかけていました。

このお話のすごく面白いところが、1巻は全て「駅のホームのベンチ」での会話劇になっているんです。

なかなかそんな作品無いですよね…!斬新です!

更に、その東くんと相沢さんの会話がいちいち突っ込みたくなるというか癖になる面白さなんです。

見ていると自分も参加しているような気分になって、思わずクスッとしてしまうような2人の会話は思わずもっとみたいと感じさせてくれます。

そしてこの作品の中で個人的に一番印象に残っている言葉があります。

それは相沢さんと東くんがお互いにあまりにも違う人間だと各々主張していた場面で、東くんが言った

「たとえば僕と君が違う星の人間だとして、それをつなぐのは言葉だろう。だったら、こちらから閉ざしてしまうのはあまりにももったいない。」

という言葉。

まさにこの作品の核になっている言葉だと感じました。

そして普段生活をしていく上でも常に胸に閉まっておきたい言葉だなと思います。

この作品にも様々な性格の登場人物が登場しますが、最初かなり個性的だなと感じても、会話を聞くことでその人の素敵な部分が見えてくることが多々あります。

きっとそれは普段の生活でも同じことなのかなと思ったりするのです。

ちょっと近寄り難いと思っていた人も、話したら意外と気さくかもしれない。

最初は上手くいかなくても、日々の積み重ねである日急にお互い理解し合えるかもしれない。

誰かと話すことは凄く勇気がいることだし、緊張だったり時には怖くなってしまうこともあるかもしれません。

ですが、きっと自分だけでは気づけなかった新しい発見がたくさんある気がするのです。

だからこれからも一緒に、勇気を振り絞って一歩踏み出してみませんか。

もしたとえ一歩が踏み出せなかったとしても、心は閉ざしきらずに、すこーしだけ、隙間だけでも開けておいてくれるといいなぁと思います。

これからもあなたとたくさん大切な話が出来たら嬉しいです。

<第27回に続く>

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