仕事で「大丈夫」を使うのはNG! 正しい表現は?/毎日雑学
公開日:2025/8/10

「大丈夫」は仕事ではNG!
「大丈夫」はとても便利な言葉でさまざまな意味があります。そのため少し曖昧で友人同士の会話であれば問題ないのですが、仕事では「本当に大丈夫?」と感じてしまうこともあります。まずは意味から考えてみましょう。
■大丈夫の本来の意味(デジタル大辞泉より)
1 あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。
2 まちがいがなくて確かなさま。
この意味からは、約束確認の「明日大丈夫?」「うん、大丈夫」は「2」の「まちがいがなく確かなさま」に当てはまります。では、美容院で「おかゆいところはありませんか?」「大丈夫です」などで「問題ない」といった意味合いで使うときや、「これ食べる?」「ううん、大丈夫」のように「必要ない」といった場合は、本来の意味に当てはまらないように思います。
このように現代では、本来の意味とは違った使い方をすることが多くなり、大辞泉でも補足が加わりました。
<大辞泉補足説明>「大丈夫」を、必要または不要、可または不可、諾または否の意で相手に問いかける、あるいは答える用法が増えている。「重そうですね、持ちましょうか」「いえ、大丈夫です(不要の意)」、「試着したいのですが大丈夫ですか」「はい、大丈夫です(可能、または承諾の意)」など。
■仕事では明確な表現を
さて、ビジネスシーンでは相手を迷わせてしまってはいけません。「大丈夫」の代わりに以下のような表現で明確に伝えましょう。
<可能、承諾>
・かしこまりました/確かに承りました/◯は可能です
<提案に対して肯定>
・◯については問題ございません/そのようにお願いいたします
<断る>
・今回は遠慮します/今は必要ありません
<配慮>
・確かに承っております/ご安心ください
<報告・連絡>
・予定通り進行しています/◯を確認中です。〇日には再度ご報告します。
言葉は大切なコミュニケーションツールですが万能ではありません。「伝える」ではなく「伝わる」言葉で誤解のないように気をつけましょう。
文=尾形圭子
尾形圭子
株式会社ヒューマンディスカバリー代表取締役
キャリアカウンセラー/人材育成講師/僧侶
航空会社と企業の人事部門を経て2004年に会社設立。ビジネスマナー、コミュニケーション、クレーム対応などの研修・講演活動を行うほか、福祉事業所や病院でホスピタリティを活かした「寄り添いの接遇」を指導。「言葉に心をのせて」を大切にしている。
著書は「一生使える電話のマナー」(大和出版)「すぐに役立つ大人のマナーブック」(JAグループ出版)など30冊以上。
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