「今のお話、大変参考になりました」は目上の方に失礼! 正しい表現は?/毎日雑学
公開日:2025/8/13

「今のお話、大変参考になりました」は目上の方に失礼!
お話を聞かせていただいた後、感謝の気持ちもこめて、つい言ってしまいそうな言葉です。
「参考」とはいろいろ他のものとくらべて自分の考えを決める手がかりにすること。たとえば「参考のためにちょっと聞きたいのですが…」などに使われ、考え方の軸ではなく「足し」になるものなのです。そのため、教えていただく姿勢が必要な目上の方にはとても失礼な言葉です。場面や会話の内容によって言い換えがひつようですね。
■言い換え
①「勉強になりました」
学びになった、という意味合いになります。ただ、この言葉は何度も繰り返すと社交辞令のような印象になるため、ここぞというときに使うこと。さらに、具体的なポイントを加えることで真摯な姿勢が伝わります。以下例文です。
・「◯先輩のプレゼンは非常に勉強になりました。特に◯については驚きです。今後に活かします」
・「先生お話を伺い、大変勉強させていただきました。今後も〇について深めていきます」
②「貴重なご意見ありがとうございます。」
会話ではなく、ある問題について意見や考えを聞いた場合
どちらかというと学術的な知識や情報などの場合
■自分からは使える「ご参考になれば幸いです」
資料を送るときなど、文末に「ご参考になれば幸いです」と使うことが多いのではないでしょうか。「少しでも情報が役に立てば」という気持ちが伝わるため、取引先や目上の方に使うことができます。また、以下のように丁寧な言葉がありますので参考にしてください。
「ご参考までにお送りいたしますので、ご一読いただければ幸いです。」
文=尾形圭子
尾形圭子
株式会社ヒューマンディスカバリー代表取締役
キャリアカウンセラー/人材育成講師/僧侶
航空会社と企業の人事部門を経て2004年に会社設立。ビジネスマナー、コミュニケーション、クレーム対応などの研修・講演活動を行うほか、福祉事業所や病院でホスピタリティを活かした「寄り添いの接遇」を指導。「言葉に心をのせて」を大切にしている。
著書は「一生使える電話のマナー」(大和出版)「すぐに役立つ大人のマナーブック」(JAグループ出版)など30冊以上。
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