母親の介護、看取り、遺品整理を経て…元美容放置アラ還が次に始めたこと【著者インタビュー】
公開日:2025/8/18

仕事に家事に育児に忙しい日々を過ごしている間に、いつの間にかすっかり美容を放置気味だという人は少なくないだろう。だけれども、久しぶりに鏡を見て絶句。「私の容貌こんな風だったっけ」「もうどうすることもできない…」と諦めてしまってはいないだろうか。でも、気付いた時が始めどき。美容には何歳からだって挑戦できる! そう思わせてくれるのがマンガ『美容放置アラ還、体調不良を機に美容オタク娘にメンテ教わる』(堀内三佳/竹書房)。紹介されている美容はどれもとっても簡単。「これならすぐに真似できそう」「ズボラでも続けられそう」――そんな声続出のこのコミックエッセイはどのように生まれたのか。また、日々のケアや年齢を重ねながらケアしていくことについて、作者の堀内三佳さんにお話を伺った。
――年齢を重ねるとどうしても気になってくるお顔のシワ、特にほうれい線については普段どのように対策されていますか。
堀内三佳さん(以下、堀内):保湿するくらいですね。対策というか、娘からは「早く糸リフトしなよ」と言われてしまって……。娘の周りの若い人はシワが気になり出したら、糸リフトを検討しはじめるらしいです。
――美容医療が選択肢にスッと出てくるあたり、やはり世間の流れも感じます。糸リフトは、特殊な糸を皮膚の下に挿入することでシワを改善する美容医療です。皮膚を切開することなく受けられるというのが特徴ですが、ハードルを感じる人は多いんじゃないかと思ってしまいます。
堀内:きっと美容医療を受ける人は「自分こうなりたい」っていう気持ちと行動が結びついているんだろうなって思いますね。なりたいものがあれば、ハードルの高いものにチャレンジするだろうし、「まあ、いいや」と思ったらやらないだろうし。私の場合は、糸リフトは「私みたいに顔のお肉が薄い人は糸の跡が見えちゃうんじゃないかな?」と思って躊躇してしまいます。また、顔にエラがないので、皮膚があごのほうに引っ張られていると考えると、対処してもすぐにほうれい線が復活してしまいそう、とも思い…。
ほうれい線のケアは難しいですよね。マッサージするって言っても、ちょっとだけはいいかもしれないんだけど、変な方に引っ張られても困るし、美容医療的なものは、やりすぎは変になっちゃいそうで不安だし。でも、世の中にはシワがあっても、綺麗に歳を取っているおばあちゃんもいらっしゃるので、もしかしたら、そっち方面を目指した方がいいのかもしれません。ちょっと上品で、綺麗なおばあちゃん、可愛らしいおばあちゃんを目指したいですよね。
――歳を取ることを受け入れながら良い方向に持っていこうとするというのは、とても前向きな行為に感じます。お話は変わるのですが、堀内さんの新刊『母の遺品整理で学んだ人生を軽くする方法』(竹書房)では、お母様の老後を考えたり、遺品整理をしたりというお話が描かれています。歳を重ねると、家族を取り巻く環境の変化がありますよね。前刊『美容放置アラ還、体調不良を機に美容オタク娘にメンテ教わる』とはガラリと違う内容になるかと思いますが、どのような本なのでしょうか。
堀内:40代・50代になると、親の面倒をみなければならない時期になってくると思います。新刊では、私が母を介護して、看取るまでに感じていた不自由なこと、それを通して考えたこと、老後に備えて今からでもできることについて描きました。実用的な内容として、自分の足で歩く老後にするにはどうしたらいいかだとか、家にある不要なモノをどう整理したらいいのかだとか、あと、母にローンがあったので、その相続放棄をしたのですが、自分のお金の通り道を今からどう整理するかを考えて、実践した話などを描いています。その他、メンタル面についても触れているので、親の介護や看取り、その後の自分の老後について悩まれているかた、多くの方に手に取ってもらえたら嬉しいです。
――お母様の介護をされたこと、看取られたことで、新たに何か始めたことはありますか。
堀内:最近はエアロバイクが手に入ったので、漕ぐようになりました。母を介護して、看取って「人って足からダメになっていくんだなぁ」「やっぱり足腰が一番大事なんだなぁ」って思ったので。野良仕事をされている方って歳を取られても、結構お元気そうですよね。うちの母みたいにこう座ってずっと一日中手芸をやっているような人間はやっぱり動かなきゃダメだなって思います。
――身体を動かすことは、健康だけでなく、美容にも良いですよね。毎日エアロバイクで身体を動かしているんですか。
堀内:サボる日もあるんですけど、なるべく毎日エアロバイクを漕いでいます。気が向いた時に、気が向いた回数だけ。一日何回でも漕ぐ日もあります。そうやって、少しずつでも足腰を鍛えていけたらなと思っています。
取材・文=アサトーミナミ
※書籍出版当時の個人の体験、お話をもとにインタビューを行っています。専門情報や個々人の体質・体調に合わせた改善策は、各医療機関等にご確認ください。