3歳にして人生を悟ってる!? 「間違えたっていいんだよ」と失敗した母を慰める息子【著者インタビュー】
公開日:2025/8/22

3歳になる息子・よいたんとの日々を綴った子育てエッセイ漫画『よいたん3歳、ときどき先輩。』(まぼ/KADOKAWA)。本作は、ヒーローアニメが大好きという3歳児らしい一面もあれば、突然「菩薩か?」と思うほど悟りを開いた一言を繰り出すよいたんとの、何気ない日々を描いた一冊です。パパに対してオタクマウントを取ったかと思えば、謎のこだわりを発動して周囲を翻弄……。そんな自然体なよいたんと家族の姿に、くすっと笑ってしまったり共感したりすること間違いなし! よいたんの母であり、著者であるまぼさんの温かくも的確なツッコミも秀逸です。本作誕生の経緯から、最近のよいたんについてまで、さまざまなテーマでお話を伺いました。
――よいたんが時折3歳とは思えないような言葉をママやパパに掛けてくれるのも本作の魅力のひとつです。それらの悟りを開いたような言葉はいつ頃から出るようになったのでしょうか?
まぼさん(以下まぼ):やっぱり3歳ぐらいからですかね。親バカですが、その前から優しい子だなとは思っていて。それが3歳くらいから言葉を操れるようになって、言葉として出てくるようになったのかなと思います。
――焦げた唐揚げを前にして「しょうがないよ…みんな間違える…、間違えたっていいんだよ、ママ…」は特に素晴らしいですね。ママ、パパの言葉を真似て出てきたんでしょうか?
まぼさん:いやー、言った覚えはないですね(笑)。失敗した時に「あるあるだよね、大丈夫!」みたいなことは言ったりしますが。今の子どもって、言葉を覚えるルートが親だけではないですよね。本だったり動画だったり「どこで覚えてきたの?」という言葉を使う時もあるし。よいたんは自分では漫画くらいしか読まないのですが、「本読んで」とはよく言われるので本が好きなのかもしれません。
――一方でよいたんはすごく優秀、特殊なお子さんという受け取られ方をすることが多いことについて、まぼさんは「そんなことないよ」と強調されている印象です。
まぼさん:そうなんですよ。言葉を覚えるのが早かったので、言葉を使うのが上手いところは確かにあると思うのですが、心の成長は「まだまだだな」と思うことも結構あります。漫画のタイトルも最初は「人生2回目、転生してきた」みたいなワードが入っていたんです。でも私からすると自分の体から出てきているし、転生してきたのかなとは思ったことがなくて。ただ「たまに大人びた発言をするな」というのは私も感じるところなので「『ときどき先輩』みたいにしてもらいたい」と今のタイトルに落ち着きました。
本当に普通の男の子だし、私もみなさんが悩んでいることと同じようなことで悩んでいます。ただたまにハッとさせられるようなことを言ってくれるので、こちらも気付かされることがあったりして。そういう日々を綴っているのがこの作品という感じですね。
取材・文=原智香