「家族はお互いにフェアな関係でいたい」幼い子ども相手でも伝えたい、人を尊重する気持ち【著者インタビュー】
公開日:2025/8/25

3歳になる息子・よいたんとの日々を綴った子育てエッセイ漫画『よいたん3歳、ときどき先輩。』(まぼ/KADOKAWA)。本作は、ヒーローアニメが大好きという3歳児らしい一面もあれば、突然「菩薩か?」と思うほど悟りを開いた一言を繰り出すよいたんとの、何気ない日々を描いた一冊です。パパに対してオタクマウントを取ったかと思えば、謎のこだわりを発動して周囲を翻弄……。そんな自然体なよいたんと家族の姿に、くすっと笑ってしまったり共感したりすること間違いなし! よいたんの母であり、著者であるまぼさんの温かくも的確なツッコミも秀逸です。本作誕生の経緯から、最近のよいたんについてまで、さまざまなテーマでお話を伺いました。
――よいたんが初めてお金を使う時のエピソードで、まぼさんが「お金は何かを得るための手段なのに、お金を使うことが目的になっている」と声掛けするシーンがあります。よいたんを子どもではなく一人の人間として見て対等に接していらっしゃるんだなと感じたのですが、これはまぼさん自身が心がけていることですか?
まぼさん(以下まぼ):確かに夫と私だと、私の方が良くも悪くも息子たちを子ども扱いしていないですね。「厳しすぎない?」と夫に言われることもあります。でも翻せばそれがフェアということなのかなと。例えばこの間「ご飯できたよ」とお皿がまだ並んでない状態で声を掛けたら、食卓に来た子どもたちに「すぐ食べられる状態になってから呼んでくれればいいのに」というようなことを言われたんです。だから「それは違う、家事は得意不得意を家族で担っているだけであり、私はみんなができないから料理を作っているんだ」と伝えました。夫はその時も「そこまで言うんだ」という感じでしたが。
――すごくわかります……! ただそうやってしっかり説明をすることって、時には面倒くさいこともあると思うんです。特に夕飯時とか時間もないですし、「言って子どもに不機嫌になられるくらいならこっちでやっちゃっていいや」と思ってしまうこともあります。それでもしっかり説明しようとするのはすごいなと思うのですが。
まぼ:こっちが言わないと収まらないというのもありますが(笑)。例えばその時だったら、「家族というのは同じチームのメンバーで、そこに上とか下とかはない」というのは伝えておきたいなと思って。子どもへの接し方って正解がすぐにはわからないから難しいですよね。最近息子は息子でちゃんと自分の言い分を伝えるようになってきたので、私が求めているフェアな関係にはなってきているのかな? と思っているところです。
――とはいえ冷静に話し合う気になれない時もあると思います。そういう時はどうしていますか?
まぼ:「一人にして」って言っていますね。逆に息子が「ちょっと今一人になりたい」って自分の部屋に行くこともあります。大人でも「時間を置いて改めて考えたら大したことじゃなかった」ということってたくさんあるし、息子には3歳ぐらいの時から「イライラしている時、同じ部屋にいるとお互いのイライラが大きくなっちゃうことがあるから、距離をとった方が気持ちを切り替えられたりするんだよ」というような話はしています。
取材・文=原智香