育児漫画を描くことは自己の救済? 新作のお仕事漫画を通じて実感したこと【著者インタビュー】
公開日:2025/8/30

3歳になる息子・よいたんとの日々を綴った子育てエッセイ漫画『よいたん3歳、ときどき先輩。』(まぼ/KADOKAWA)。本作は、ヒーローアニメが大好きという3歳児らしい一面もあれば、突然「菩薩か?」と思うほど悟りを開いた一言を繰り出すよいたんとの、何気ない日々を描いた一冊です。パパに対してオタクマウントを取ったかと思えば、謎のこだわりを発動して周囲を翻弄……。そんな自然体なよいたんと家族の姿に、くすっと笑ってしまったり共感したりすること間違いなし! よいたんの母であり、著者であるまぼさんの温かくも的確なツッコミも秀逸です。本作誕生の経緯から、最近のよいたんについてまで、さまざまなテーマでお話を伺いました。
――2月にはご自身のお仕事遍歴をテーマにしたエッセイ漫画『勤労ロードショー 今日も財布がさみしくて』も発刊されました。
まぼさん(以下まぼ):『しおさん1歳 令和ギャル爆誕の道のり』でご一緒した編集さんと最初に打ち合わせした時からお仕事をテーマにした漫画を描きたいとはお話ししていました。念願が叶っての3冊目という感じです。私自身そんなに特異な人生ではないのですが、バイトに関しては結構変わった体験をしているのかなと思って描かせていただきました。
――初めての育児以外をテーマにしたエッセイ漫画になりますが、いかがでしたか?
まぼ:手厳しい意見をいただくこともあって「エッセイ漫画家としてまだまだだな」と思うことが結構ありました。やっぱり子どもっているだけで面白いので、起きたことをそのまま描いても面白さが成立するから描いていてあまり辛い経験がなかったんです。でも今回はそうもいかなくて。読ませる工夫を改めて考えましたね。新たな壁にぶつかりながらも描き上げた感じです。
――子どもの面白さそのままとまぼさんはおっしゃいますが、『よいたん3歳、ときどき先輩。』が多くの人に読まれたのは、やっぱりまぼさんの視点に面白さがあったと思います。育児漫画を描いている時は辛いと思ったことがないというのはすごいですね。
まぼ:育児漫画を描き始めたきっかけは、半分は趣味でもう半分は当時の自分を救済するために描いていたようなところもあるので「これが辛くなったら本末転倒だよな」という気持ちがありました。絵を描くのも好きだし、子どものことを考えるのも好きだし、いいことしかなかったですね。とはいえ『勤労ロードショー』も描くことは楽しかったです。ただ「もっと他の視点を入れないと」と気づくことも多かった作品なので、新しい一面をお見せできていると思います。
取材・文=原智香