化石、人類の進化、絶滅動物、科学の発展…。国立科学博物館の館長監修『カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史』は夏休みにぴったり!

文芸・カルチャー

公開日:2025/8/14

 はるか700万年前から現在の私たちホモ・サピエンスまで――。人類が歩んできた長い進化の道筋を、“女性”に焦点をあて、驚きの発見もまじえて紹介するビジュアル大図鑑『カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史』。国立科学博物館長、篠田謙一さんによる監修となっている。

『カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史 人類の進化と女性の祖先』
『カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史 人類の進化と女性の祖先』(マルタ・ユストス:著、ディエゴ・ロドリゲス・ロブレド:イラスト、篠田謙一:監修、網野真木子:翻訳/西村書店)

■さあ、壮大な“進化の旅”へ出かけよう!

 本書は、女性に焦点をあてて見た人類の進化についてのとびきりユニークな図鑑。ここに登場する女性の化石人類には、440万年前に2本の足で歩く一方で木の上でも暮らしていたアルディ、もっとも有名な祖先であるルーシー、グラン・ドリーナの少女、みんなに愛されたベンハミーナなどがいる。

 化石や古代DNAの研究から、彼女たちの暮らしぶりや発見時のエピソード、 家族との絆など、わくわくするストーリーが明らかになってきた。

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 さまざまな種の人類が生きていた700万年前から、私たちホモ・サピエンス(現生人類)というひとつの種が残っている現在まで。謎とロマンに満ちた人類進化の道のりをたどっていこう。

■人類の祖先や当時の生き物、考古学的遺物などが緻密にカラフルに描き込まれたイラストにワクワク!

『カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史』見開きサンプル(大地に足をつけて)
『カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史』見開きサンプル(大地に足をつけて)

 地球の誕生から46億年。そして人類の祖先が出現したのは今から700万年前のこと。木からおりて直立歩行を選んだ霊長類の仲間として、およそ30の異なる種がいたことがわかっている。

 人類の祖先は、どんな暮らしをしていたのか。そしてその人々のまわりには、どんな生き物たちが生息していたのか。

■女性や子どもの“人類の祖先”にも注目

『カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史』見開きサンプル(謎の解明はつづく)
『カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史』見開きサンプル(謎の解明はつづく)

「女性の進化を知らないままでは人類の進化を知ることができないのも事実です。本書が、『正しい』人類進化の道筋について考えるきっかけになればと思います」(監修者 序文より)
「フェミナ・サピエンス」というユニークな言葉は、本書が、女性も男性も平等な重みをもつ人類史について考えるきっかけになることを願い、女性のホモ・サピエンスに注目するために作られた。

 長い進化の歴史に登場する、さまざまな先史時代の女性たち。なかには、狩りをする女性や、集団の中で重要な役割をになった女性もいた。
※「フェミナ(femina)」にはラテン語で「女性」という意味がある

■道を切り開いてパイオニアとなった女性研究者たち

『カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史』見開きサンプル(道を切りひらいた女性たち)
『カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史』見開きサンプル(道を切りひらいた女性たち)

 長い歴史のなかで、多くの科学者たちが、先史時代や考古学に情熱をそそぎ研究を続けてきた。その成果が積み重なって、たくさんのことがわかっている。そのなかには女性の研究者もたくさんいるのだ。

 今回の書籍について担当者に話を聞いてみた。

ーー今回の書籍の狙いは?
●科学と芸術を融合させた圧倒的ビジュアル!
●ネットで簡単に検索できる標本番号を記載!
●人類と同時代に生きた古生物がわかる!
●描かれた地図上で遺跡をチェック!
●ならべて描かれた骨や足跡を比較できる!
●ざっくり理解がしやすい見開き1テーマ!

 お子さんだけでなく、親子でも、一緒に楽しみながらページを開いてみてください。興味のあるテーマが必ず見つかります。

ーー今回の企画のイチオシは?
 本書は科学的な正確性を大切にしながら、ひと目でわかるよう工夫されたイラストで、わくわくするような探求の旅へ読者を誘うユニークなビジュアル図鑑です。

 また、たとえば「肉食化や狩猟の開始」といった、男性の視点から考えた進化だけでなく、女性や子どもの姿にスポットをあてることで、人類の歩みの「全体像をときあかそう」というユニークな試みは、本書が「世界初」となっています。

ーー読者(ユーザー)へのメッセージは?
 興味あるテーマとじっくり向き合う時間をとりやすい夏休み。この機会に、人類や生き物がたどってきた壮大な歴史に触れてみてはいかがでしょうか?

 過酷な環境を生き抜いてきた人類の歩みを知ることは、これからの時代を生きる上でとても大切な視点を与えてくれるでしょう。

■作者・監修者・訳者プロフィール

●文:マルタ・ユストスさん
人類学者で、長年にわたりスペイン・ブルゴスの人類進化博物館(MEH)で科学コミュニケーターとして勤務する。世界で最も重要な古生物学遺跡のひとつである、近郊のアタプエルカ遺跡群の発掘にも10 年以上携わる。MEHは同遺跡群から出土した多くの遺物を収蔵している。

●絵:ディエゴ・ロドリゲス・ロブレドさん
1998年生まれ。スペイン・マドリードで考古学を、バスク地方で科学イラストレーションを学び、さまざまな遺跡発掘に携わる。芸術と科学の専門知識を融合させ、先史時代の知識とデータに忠実でありながら、美しいイラストをわかりやすく教育的に描くことに情熱を注ぐ。

●監修:篠田謙一(しのだ けんいち)さん
1955年生まれ。京都大学理学部卒業。博士(医学)。佐賀医科大学助教授を経て、国立科学博物館人類研究部に勤務。2021年より館長。専門は分子人類学。「人類の起源」(中央公論新社)、「科博と科学」(早川書房)など、編著書多数。長い間、ペルーで発掘をしていたことがあり、アンデスの遺跡調査は懐かしい思い出のひとつ。

●訳:網野真木子(あみの まきこ)さん
上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業。東京外国語大学大学院修士課程修了。スペイン語文学専攻。スペイン語非常勤講師。訳書に「わたしのくつしたはどこ?」(岩崎書店)、「夜明けをまつどうぶつたち」(NHK 出版)など。アタプエルカの遺跡をいつか訪れたいと願っている。

■書籍情報

タイトル:カラー図鑑 フェミナ・サピエンス全史 人類の進化と女性の祖先
ISBN:978-4-86706-057-5
定価:2970円(本体2700円+税)
体裁:A4変型・上製
ページ数:41ページ
発行・発売:西村書店
販売場所:全国書店、ネット書店ほか

Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4867060577/
楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/rb/18253266/
ヨドバシ.com:https://www.yodobashi.com/product/100000009004130123/
丸善ジュンク堂書店ネットストア:https://www.maruzenjunkudo.co.jp/products/9784867060575?srsltid=AfmBOoqw_7SmVstbyYz8whLX2B7NyBkiycEUtgGmC0H9hI2wD9z2UyQc

西村書店公式サイト:https://www.nishimurashoten.shop/?pid=186696590

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