A.B.C-Z・戸塚祥太「愛するものを必死に守る蓮の姿に強く惹かれます」【インタビュー】

ダ・ヴィンチ 今月号のコンテンツから

公開日:2025/10/10

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年9月号からの転載です。

 極道と会社員の2つの顔を持つ小田切蓮。恋人と別れ、住む場所を失った蓮の部下の菅原真琴。二人のドキドキの同居生活を描いたドラマ『極道上司に愛されたら』が放送中だ。裏の顔を知らない職場の部下からは、あろうことか〈極道上司〉と陰で呼ばれるほど近寄りがたいオーラを出しているこの役を、「実際は無駄がなく、判断も的確な、デキル男というだけなんです」と戸塚さんは笑う。

「もちろん、会社では極道であることを隠しているので、それが彼の中で緊張感となって滲み出ているのかもしれません。ただ、そんな蓮も、密かに想う真琴と二人だけの時は少し空気が柔らかくなる。そのギャップが演じていて楽しいです。とはいえ、デレ過ぎてもいけないので、その加減はいつも監督と現場で細かく話し合ってますね」

advertisement

 蓮には、実の親からの愛情を受けず、極道の組長に養子として拾われた過去がある。それゆえ、愛に飢えたまま大人になった側面も持ち合わせている。

「だからこそ、義理人情をすごく大切にする。組長や組を守ることが自分の使命だと思っているんです。でも、真琴と出会ったことで、その一途さに変化が起きる。命をかけて守りたいと思えるものが2つになってしまった。彼にとっては、きっと生まれて初めて”自分にそれができるのか……“という葛藤を抱えたのではないかと思います」

しかし、そんな不安を忘れさせてしまうほど、蓮と真琴の同居生活はドキドキがいっぱいだ。

「一緒に住み始めたあと、蓮は真琴に食事を作ってもらうことを静かに喜ぶんです。まるで、”誰かと生活をするとこんな幸せが待っているの!?“と感動を噛み締めているようで。意外と、誰かに優しくしてもらうことに不慣れで、恋愛にも不器用なのかもって思いました(笑)」

 やがて少しずつ、しかしながら揺るぎない想いを募らせていく二人。その関係性が愛おしくもあり、むず痒くもある。

「蓮ほどではないにしろ、人間にはいろんな面があり、相手によって使い分けていると思うんです。僕もオフの時は驚くほど怠惰で(笑)、糸が切れたパペットのように動かない。でも、そのどれもが本当の自分なんですよね。ただ、蓮はどの姿で生きていくか選択を迫られる。はたしてどんな結末を迎えるのか、僕も見守りたいと思います」

取材・文=倉田モトキ、写真=TOWA
ヘアメイク=奥山信次、スタイリング=野友健二(UM)

とつか・しょうた●1986年、東京都生まれ。2008年、「A.B.C-Z」を結成、12年にメジャーデビュー。俳優としても数多くの作品に出演し、14年に舞台『出発』で初主演を務めた。主な出演作に、ドラマ『凛子さんはシてみたい』、舞台『SLEUTH/スルース』『真夜中に起こった出来事』など。8月30日より開幕する主演舞台『アーモンド』も控えている。

ドラマ『極道上司に愛されたら』
原作作家:真霜ナオ 
作画:@R(『極道上司に愛されたら~冷徹カレとの甘すぎる同居~』taskey) 
監督:柴田啓佑、酒見アキモリ 
脚本:富安美尋、松下沙彩 
出演:戸塚祥太(A.B.C-Z)、紺野彩夏、中村嶺亜(KEY TO LIT)、星乃夢奈、赤澤遼太郎、柾木玲弥、山田キヌヲほか 
7月 22 日より毎週火曜24:59~(MBS)、25:28~(TBS)ほかにて放送開始

 ©「極道上司に愛されたら」製作委員会・MBS
©「極道上司に愛されたら」製作委員会・MBS

累計販売部数50万部を超える同名人気マンガを戸塚祥太と紺野彩夏のW主演でドラマ化。無慈悲さを感じさせる仕事ぶりで、会社の部下たちから陰で“極道上司”と呼ばれている小田切蓮。彼には他人に言えない秘密があり、裏の社会で極道の若頭を務めるもう一つの顔を持っていた。また、蓮の部下として働く菅原真琴は周囲から頼られる存在でありながら、恋愛のほうは不器用で、同棲する彼氏に振り回されてばかり。ある日、恋人の浮気を知った真琴は、ついに別れを決意。しかし、同時に住む場所まで失うことに。そんな彼女に手を差し伸べたのが蓮だった。“新居が見つかるまで”という条件で、同居をスタートさせた二人。ところが、ともに暮らすなかで真琴は蓮の優しい一面を知り、少しずつ特別な感情を持ち始めていることに気づく……。

あわせて読みたい